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『嵌められサンタ』④By,日辻メロン
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「そういう態度取るんだ!?もう知らない!サンタ帰るっ!!」
サンタはいじけた素振りを見せ、どさくさに紛れてこの家から脱出しようとした。
ところが道男くんはサンタの袖を掴んで離さない。
「ちょっと、待ちなよ」
サンタは困った。
次の言葉を聞いてもっと困った。
「そもそもあなた、本当にサンタなの?」
「・・・サンタですけど?」
言い返してみたものの証明をする手段はない。
ここで通報されたらサンタ、マジで終わる。
本気と書いて(マジ)で終わる・・・!
「どうかな」
道男くんが疑いの目でサンタを睨め上げる。
サンタはぎくりとした。
「サンタのイメージにしてはあなたはあまりにも若すぎる」
道男くんの根拠に、サンタはすかさず言い返す。
「白ひげのおじいさんのイメージはコ○コーラの商業戦略にすぎない。本物のサンタの平均年齢は意外に若いんだ!」
道男くんはゆっくりと首を横に振った。
「いや、それにしても若すぎる」
勝手に決めつけるなと言おうとしたのに、道男くんが喋り出した。
「肌はきめ細やかで産毛すら生えてない。唇はさくらんぼみたいに可愛らしい。」
サンタはなんとなくぞっとした。
「それに、そのぶかぶかのサンタ服の襟から見える鎖骨は、それは誘っているの?」
思わず襟元を隠した。
道男くんがニヒルに笑った。
「こんな艶かしいひとが子供に夢を届けるサンタなんて、似合わなすぎて疑っちゃうな」
子供とは思えないほどオトコっぽい口調だった。
「なにこの子!気持ち悪い!!」
サンタは引いた。
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