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『嵌められサンタ』⑤By,日辻メロン
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誤魔化すのは辞めることにした。素直に懇願することにした。
「頼むから、サンタがここに来たことは誰にも言わないでくれないか」
道男くんは小首をかしげる。
「パパにも?」
サンタは頷く。
「ああ、パパにも」
道男くんがまた聞く。
「ママにも?」
「もちろんママにもだめだ」
当たり前だろうが、馬鹿。
心の中で罵っていると子供っぽい切り返しをしていた道男くんが急に冷めた態度を取った。
「人にものを頼むなら、先ずすることがあるよね」
うわっ、条件つけようとしてやがる。
悪い子・・・!
サンタは慎重に答えた。
「サンタに土下座しろと・・・?」
道男くんは鼻で笑った。
「そんなものになんの価値が?」
サンタはこめかみがヒクつくのを感じたが、冷静になろうと努力した。
「じゃあなにをして欲しいんだ?」
道男くんがきょとんとした顔をする。
「サンタなんだし、何かくれるんじゃないの、当然」
なんだ、プレゼントか。なんだかんだ言って子どもだな。
サンタはほっとして道男くんに微笑んだ。
「ああ、そうだ。何が欲しい?3DS?プレイステーション?逆に人生ゲームかな?」
道男くんは斜め上を見て考える仕草をした。
「あ、ごめん。俺欲しいもの無いんだった」
「無いのかよ!とんだ茶番だったよ!!」
サンタは地団駄を踏んだ。
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