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『嵌められサンタ』⑥By,日辻メロン
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「もう俺マジで帰るから!ちょっ、マジ誰にも言うなよ!!」
サンタは開き直ることにした。
もう付き合っていられない。仕事はまだ詰まっているのだから。
「待って!あったよ欲しいもの!!」
道男くんが閃いたとばかりに声を上げる。
サンタは一応聞くことにする。シカトして両親にチクられたり、通報されたりするが怖かった。
「僕を魔法で大人の男にしてよ!」
これまた突飛な意見だった。
「無理だよ!」
道男くんががっかりしている。
「できないの?」
正確には出来ないわけではない。サンタは魔法だって使える夢のフェアリーだ。
しかし、人間相手に使うのは禁じられている。
「おもちゃだったらなんでも好きなものをあげるぞ?」
さっき否定されたばかりの代案を出してみる。
道男くんがため息をついた。
「所詮サンタクロースなんて子どもの物欲を満たしてやるくらいしかできない存在なんだね」
「なにその嫌な切り返し!!」
これがサンタのプライドに火を付けた。
「出来るよ!?出来ますけど!?禁止されてるからやらないだけで、出来ますけどね!!」
道男くんが挑発するように言った。
「じゃあやってみせてよ?僕は自分が見たものしか信じないんだ」
サンタは挑発に乗った。
「ああいいよ!誰にも言うなよ!?誰にも言うなよ!?」
言ってしまったあとに、あ、
と思った。
しかし、もう撤回出来ない。
サンタクロースが最もやっていけないことは子どもに嘘をつくことだった。
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