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【心配性】イルあゆ
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「イルスケさんっ!」
立ち上がった途端腕を掴まれ、何事かと振り向く
今にも泣き出しそうといった不安げな顔で私を見上げるあゆぅさん
掴む腕が微かに震えている
瞳は潤んでいて、何が彼をそうさせているのか、自分ではわからなかった
イル「...どうしたの?あゆぅさん」
しゃがんで彼の顔を覗けば、小刻みに小さく息を吐いて、体が震えていた
具合でも悪いのか、そう思って背中を撫でると、いきなり顔を上げて思わず驚いてたじろぐ
彼は私の顔を見つめ、いつものハツラツな声とは裏腹に、弱々しい声を発した
あゆぅ「俺のこと、ちゃんと好きですか?」
その言葉に驚いてしまう
そんな質問をされるなんて思わなかったからだ
何故、そんな事を聞くのだろうか
私はあゆぅさんが好きだ、それに偽りはない
だけど、私の何が、彼にそんな質問をさせるのだろうか
イル「えっと、どうしてそんな事聞くの?」
私が聞き返すと、いきなりガバッと抱きつかれてしまう
まるで幼子のように懸命にしがみつき、私の肩を掴む手が、どうしても不思議だった
あゆぅ「俺...相手が俺のことどう思ってるとか。
今まで考えたことなかった。
相手がどう思っていようと関係ないって。
でも、イルスケさんは違う!
イルスケさんにもし嫌われていたらなんて想像すると、急に怖くなって、不安で不安で仕方なくて、もし本当にそうだったらどうしようって!」
イル「あゆぅさん」
あゆぅ「...っ!」
息荒めにそう言う彼の名前を呼び、背中をさする
すると、漏れていた言葉をしまいこみ、深呼吸して動かなくなった
しばらく、その状態が続く
そして、さっきとはだいぶ落ち着いた声で、私にもう一度声かける
あゆぅ「怖いんです、イルスケさんに嫌われるのが。
俺と恋人になって嫌がってないか、とか。
いろいろ、考えちゃうんです」
彼はこう見えて、意外と後ろ向きだ
だからこそ、安心させなければいけない
イル「......ふふっ」
あゆぅ「なっ!?」
笑みをこぼすと、あゆぅさんは驚愕して私から顔を離す
その隙を待っていたかのように、私は彼の後頭部に手を添えて引き寄せ、口付けた
あゆぅ「んっ、んぅ!?」
苦しげに声を漏らした彼だったが、抵抗はしなかった
口を離すと、私は彼の胸に額を押し付け、はぁっとため息を吐く
イル「私が嫌う人間は、今こうして同じ空気を吸うことすら嫌で仕方ない。
でもあゆぅさんとは、ここまで近くに寄れて、密着して、キスして。
嫌いな相手だったらまるで耐えられないよ」
あゆぅ「あ、え...」
彼は動揺したように視線を逸らす
ふふ、顔が真っ赤だ
あゆぅ「じゃ、じゃあ...
俺のこと好き、ってことでいいの?」
イル「はい。
でも、好きじゃ足りないぐらいだよ」
そして、彼の耳元に口を寄せた
イル「愛してる」
あゆぅ「ーーーッ、」
彼の体が震えるのがわかった
その表情が羞恥心とどこか喜びにも満ちていて、それが私の心を満たしていった
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イルスケさんの一人称わかんない\(^o^)/
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