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バレンタインなんてものを日本で広めた奴はどこの誰だろうか。
教師になってから毎年思う。
バレンタインが近付くと、生徒は皆浮き足立ちはじめる。
当日なんて誰も授業を聞いちゃいない。
「えー…今やったとこまでを明日テストするから勉強してくるようにー」
…………。
普段ならこの言葉で『えー!?』だの『テストとかめんどー!』だの騒ぎ出すが…
今日は全くその手の声は聞こえない。
まあ、反論してくる奴の相手するのも面倒だからこれはこれで良いかもしれないな。
授業終了のチャイムが鳴り、教室を出ようとした所で数人の女子生徒に呼び止められた。
「小野寺せんせー!チョコあげるー!」
「先生甘い物苦手だからいりません。」
「大丈夫!ビターチョコたっぷりで甘さ控えめだから!」
「甘いの苦手なのは知ってるよー」
何で知ってるんだ…
無理矢理に渡されたチョコを両手に抱えて職員室へ向かう。
ドサドサとチョコレートを机に置くと、隣の机で仕事をしていた古文の加藤先生が苦笑いをしながら話しかけてきた。
「小野寺先生、モテモテですね。」
「面倒臭いのでいらないんですけどね」
「ホワイトデーのお返し目的の子が多いですからねぇ」
来月の小遣い持って行かれるなぁとボヤく加藤先生の机の横にもそれなりの数のチョコレートが置かれていた。
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