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面倒臭い。
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「小野寺先生はお返しとか何あげてます?」
「あー…まあ適当にドロップでも与えてますよ」
「あはは…先生らしい。」
そもそも、バレンタインとは男が意中の女性に贈り物やら告白やらする日のはずだ。
しかもホワイトデーは完全に菓子会社の陰謀だ。
そんな事を考えながら明日の小テストを作っているうちに時計の針が夜の7時を示していた。
もうそんな時間か…。
気付けば職員室に残る先生も少なくなっていた。
残っている先生達に一言かけてから帰宅する為に職員用の出入り口に向かう。
途中、廊下の壁にもたれ一人で立ち尽くす男子生徒がいた。
「もう帰れよー。他の先生に見つかったら怒られるぞー」
一応一言かけて通り過ぎようとすると男子生徒に腕を掴まれた。
「あ、あのっ…!!
僕、二年の牧野薫と言いますっ」
「ああ…美術部の…」
牧野のいるクラスの授業を受け持った事はないが、美術部で何度か賞を取っている生徒だったので名前だけは知っていた。
「あの、これ…。貰ってくれませんか…」
そう言って牧野が差し出してきたのは可愛らしいラッピングの施された包みだった。
まさか男からも渡されるとは。
「あー…先生甘い物苦手なんだけど」
「知ってます!だから、甘くないお菓子にしたんです。これなら小野寺先生も食べれると思うから……」
必死に渡してくるその姿に断るのも可哀想に思い、包みを受け取った。
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