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興味。
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自宅は学校からそれ程離れていない小さなアパートだ。
風呂はシャワーで済まし、適当に夕飯を食べる。
ふと、学校を出る前にあの男子生徒から渡された包みの中身が気になり、開けてみる事にした。
包みを開けると、入っていたのは確かに甘くない醤油味の煎餅だった。
「ふっ……くくくっ…まさか、煎餅とはっ…!!」
男にバレンタインに贈り物をされたのなんざ当然初めてで、しかもその中身は煎餅。
少々センスを疑うが、悪くない。
「まあ、煎餅は好きだからありがたくいただこう。」
牧野薫…面白い子だな。
特定の生徒にこんな風に興味を持ったのは初めてだった。
◇◇◇◇◇◇
翌朝、廊下で牧野薫の姿を見つけた。
向こうもこちらに気づいたのか、小走りで寄ってくると挨拶をしてきた。
「おはようございますっ」
「ああ、おはよう。煎餅、ありがたくいただいたよ。」
そう言うと、牧野は嬉しそうに微笑んだ。
「そろそろ予鈴が鳴るから、教室に戻りなさい」
「はい!それじゃあ、また。」
近くにいた友達と共に牧野は教室へと戻った。
ホワイトデーは何を返してやろうか…
いつもは面倒なだけのホワイトデーが少しだけ楽しみな気がした。
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