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異変。
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あの日、中庭で牧野を見かけてから暫く経ち、ホワイトデーまであと一週間程になった。
あの日から、牧野をほとんど学校で見かけなくなった。
学校に登校はしているようなのだが、たまに廊下で見かけてもすぐに視界から消える。
どう言う訳か、あからさまに避けられているようだ。
このまま避けられ続ければ、以前何となくとは言え買ってしまったストラップを渡せない。
何より、理由も分からず突然避けられるのは面白くない。
「小野寺先生、すっごい眉間にシワ寄ってますよ。珍しいですね、そんな顔をしてるの」
「…そんなに寄ってますかね?」
「かなり寄ってましたね」
隣で笑う加藤先生に適当に笑って誤魔化し、パソコンの画面を見ると、いつの間にか牧野の事を考えていたせいか、全く仕事が進んでいなかった。
…………参ったな。これは残業確定だ…。
机の横の方に置いてあった既に冷めてしまった珈琲を一口飲み、気を取り直してパソコンを打ち始めた。
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