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水戸くんだって桜木くんとキスしたい!
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三井はまだ帰ってこない。
その間、水戸と桜木はTVを見ていた。
水戸は暇だなぁ、と思いながら
ふと桜木の唇に視線を止める。
その瞬間、彼の心臓の鼓動は確かに速まっていった。
…昨晩が花道との初めてのキスじゃない。
通算三度目だと言ったのは覚えているだろうか。
俺は悪酔いをしてのキスだったが花道は酔ってない。いわゆる素面だ。
その状態でキスしちゃったのだが花道は意外にも普通の態度であり、
それに水戸は喜びを覚えていた。
(…もっと、はなとキスがしてえ。)
そう…水戸はそろそろ本能的衝動が抑えられなくなってきていたのだ。
それもそうだ、当たり前だろう。
何度も何度も最愛の人が他の男とキスをするのを目の当たりにし、
それを次々受け入れていく花道を見ていくうちに素面で俺がしても大丈夫なんじゃないだろうか、と思ってしまうのは当然で。
気がつくと桜木のすぐ近くに寄っていた自分がいた。
それを察知した桜木はハッと驚き、大きく目を見開いた。
「よう…へい?」
どうした、と言わんばかりに彼の名前を口にする。
その声が妙に色っぽくて水戸の心拍数はどんどん上がっていき、花道との距離…3センチ弱。
(はな…)
もはや、彼の頭には花道とキスがしたい。という欲求しか無かった。
クールな彼らしくない。だが、これも仕方のないことである。
彼もまた恋するメンズなのだから。
ああ…あと1センチ。
ゆっくりゆっくり花道の唇は水戸の唇を受け入れようとしているかのように抵抗をしなかった。
ただただ水戸の行動を見つめるだけ。
これが他の男であったらどうであっただろうか?
抵抗していただろうか。
────ちゅっ。
四畳半の部屋に甘いリップ音が響いた。
「冗談だよ、はな。」
ニコリと笑った水戸。
そう、彼が桜木にキスした場所は頬だった。
桜木は顔を真っ赤に染め、「よ、ようへいのアホ!」と今更ながら叫ぶのであった。だが、嫌そうな感じではない。むしろ照れているという言葉が良く似合う。
その様子を見た水戸は(…やっぱ口にすりゃよかったかな。)と後悔した。
…キスする直前、彼は少し怖かったのだ。
“なぜ花道は嫌がらないのか”
そう考えた時、“自分が親友という立場にいるからではないのか”
“花道は嫌がることも出来ず困惑しているのではないか”
そう思ったのだ。だから彼はできなかった。
…このとき、水戸は知りたくもなかった臆病な自分を知ってしまい、
深いため息をつかずにはいられなかったという…
だが、その同時刻
桜木はドギマギしながら水戸をチラチラ見やっていた。
まさにその様子は恋する乙女のようで。
桜木は水戸にキスをされた右頬を熱く感じながら
(もしあのまま唇にされてたら…)と考え、想像しては
また顔をさらに赤く染めるのだった。
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