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流川くんの習慣の中で
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湘北高校にて────…
「あっ、流川君だわ…っ」
「今日もかっこいい…♡」
ざわざわと騒ぎ立てる女子達を尻目に
流川楓 という男は颯爽と1年7組へと向かっていた。
「…おい」
1人の女生徒に声をかける。
つぶらな瞳と大きな鼻が特徴的な女の子だ。
「る、流川君…!?
え、あの…な、なんですか?」
急に憧れの流川から声を掛けられ慌てる彼女。
そんな彼女を気にもかけず流川は
教室内をキョロキョロと見渡して、
「どあほうは、どこ行った」
「桜木くんならまだ来てませんけど…」
「………」
あんにゃろう…遅刻か。
と、彼は思い舌打ちをした。
流川は、この頃になるとほぼ毎日桜木のいる1年7組に通いつめていた。
そんな流川の呼ぶ 【どあほう】のことは
桜木花道をさしていクラスの誰もが認知していた、らしい。
「今日は水戸君も来てないわよねー」
1人、派手な女がやってきた。
鼻の大きい女の隣をしっかり陣取り、
いかにも流川と話したいオーラをムンムンと感じさせている。
いつもなら桜木がいないとわかれば
さっさと帰る流川だが
この時ばかりはピクッと眉を動かし
その場に立ち尽くしてしまった。
「水戸も…」
「ええ…確かに今日は水戸くんも遅刻だわ。
でもあの2人って仲がいいし、後からお揃いで来るんじゃないかしら?」
「前に何度もそういうことがあったしねー
ってかさー
なーんかアヤシーよね、あの2人って!アハハハ!」
派手な女が豪快に笑う。
「……ちっ。」
流川は一際おおきな舌打ちをした後
無言でその場を後にした。
今の女の耳に響く笑い声もカンに触ったが
それに上乗せで
水戸と桜木がアヤシく見えるほど仲がいい、と周りのヤツらに思われてるってのが
1番気に入らなかった。
桜木を想う男は 少なくない。
むしろ多い方で。
そんな中で1番気をつけるべき男を
今まで わりと仙道に置いていた。
だけどそれは間違ってた。
1番気をつけるべきは水戸だ。
そこまで考えた後、ふわふわと眠気が襲ってきたので
このあとの授業はサボることにしよう、そう思った。
今日は昼寝日和だ。
「流川」
「…」
後ろから名前を呼ぶ声がして振り返る、
そこにいたのは…
「よぅ、ちょっといいか?」
先輩だった。
三井寿、俺の二個上。
その先輩の後ろからもう一人出てきた。
「ミーティングするぞ」
宮城先輩。
ミーティング?
正直めんどくせー。何よりねむてーのに。
「…うっす」
でも軽く頭を下げ、了承した。
ふたりが真剣な顔をしてたからだった。
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