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嫉妬の狼共。
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「ていうかよ、おまえら部活はどうしたんだ部活は。サボりか?」
桜木が白のTシャツと長いジャージ(下)に着替え、
体育館前で待機している牧、神、清田、藤真、水戸…
のうちのバスケ軍団に問いかけた。
「俺は授業中、頭痛がしてな
保健室に行ってたんだ。
俺らの学校のルールに授業中、保健室に行くと自動的に部活動に参加出来ないってなってるんだよ。
だからな。」
藤真が滑舌よく答えた。
「具合ワリーなら帰ったほうがいいだろ馬鹿者!」
桜木が言う。
「はは、大丈夫。桜木に会えたから
もう元気になった。」
「フーン、天才の力か!
感謝したまえ、ホケツ君!」
「だから藤真だって言ってるだろ…」
「で?おめーらはサボりか?」
桜木が海南軍団に顔を向ける。
するとグッと眉間にシワを寄せた清田が
答えた。
「なぁに言ってんだバーカ!
俺達がサボりなんかするわけねーだろっ赤毛猿じゃあるまいし!!」
「な、なにぃ!?テメー野猿、そりゃどういう意味だコラー!!」
「清田、うるさい。
他校で騒ぐな。」
牧が清田を成敗した。
すると神がニコリと桜木に笑いかける。
「俺は仮病。牧さんはお婆ちゃんの御見舞。ノブは風邪でね。」
「な!仮病!?ジンジンサボりじゃねーか!海南戻れ!ジィは婆ちゃんの見舞い行けー!!
野猿は帰りやがれー!」
叫ぶ叫ぶ桜木。
「戻んないよ。俺達桜木に会いに来たんだ。」
「じゃあただのサボりじゃねーか!」
「ノブ以外はね。ノブはほんとに熱があるんだ。ね?」
「じ、神さん!
それじゃあ俺が無理してまでここに来たみたいに…」
「だってそうだろ?
さっきまで鼻水ダラダラだったくせに。」
「ああっ!それは言わないでくださいよ!神さん!」
清田が言うと
桜木が満足げに溜息をついた。
「やれやれ、そんなに天才に会いたかったのかね、君たち…
しょうがないやつらだな…
……ったく、天才は辛いぜ。天才は…」
「何言ってやがる、猿!
テメーが天才とはおこがましいにも程があるわ!バカ!バカ猿!」
再び清田が反応する。
どうしても桜木に突っかかりたいらしい。
「あぁん!?うるせぇ、オメーは風邪だろ
さっさと家帰れ野猿!!」
「風邪は治った!別にテメーのおかげなんかじゃねーからな!?
勘違いすんなよ、バーカ!!」
ギャーゴラギャーゴラ騒いでる清田と桜木を
止めようと周りが動いた瞬間、
ガララ…と体育館の重い扉が開いた。
「うるせーな、騒ぐんじゃ…」
「あ、ミッチー」
「ああ、桜木か…って、あ!?」
出てきたのは三井寿だった。
三井は桜木に目をやり、
その周りを見渡し、目を見開いた。
「て、てめーら!?
もう来たのか!?」
「よう三井じゃないか、久しぶりだな」
「ふ、藤真!
…それに牧や神…清田まで勢揃いかよ…
おめーら部活はどうしたんだよ」
三井のその問いかけに
桜木が答えた。
「コイツら全員サボりだ、サボり。」
「サボりだぁ!?」
びっくりして固まっている三井の
後ろからヒョッコリ顔を出したのは宮城だった。
「三井さんどうし…あ!?」
「宮城だ。牧さん、宮城だね」
「ああ、久しぶりだな宮城」
「神奈川ポイントガード対決思い出しますね。」
「そうだな」
牧と神が懐かし話をしていると
宮城が青ざめながら言葉を吐いた。
「……サボりって今聞こえましたけど
どうすんの?俺らの部活終わるまで。」
「んー、そうだね…ここで待たせてもらおうかな。」
「あ、上行ってもいいんじゃないすか?
上行って赤毛…じゃなくて、湘北の練習見ましょうよ」
神に清田が言う。
すると三井が
「まあ好きにしろ
…邪魔はすんなよ邪魔は。」
「ああ、承知の上だ。」
そう言われて牧がこくりと頷いた。
そして牧を先頭に
ぞろぞろと階段を登っていく牧、神、清田だった。
藤真と水戸は下に残るようだった。
「花道!オマエおせーよ
もう練習始まってんぞ」
宮城が言う。
「お、わりい!リョーちん!
今行くからよ!天才参上〜っ」
「何言ってんだバカ」
「にゃにぃ!?ミッチー、バカってのは誰のことだ誰の!」
「お前以外に誰がいんだ」
「ふぬー!!ミッチーの歯抜け!」
「は、歯抜け!?うるせー歯はある!
よく見ろバーカ!!」
宮城がワハハと笑う。
体育館の中へ入っていく桜木、宮城、三井を
微笑ましく見ていた水戸は
拳をギュッ…と静かに握った。
「花道、頑張れよ。」
ボソッと呟いた。
つもりだったのに、桜木がふいに振り返った。
「よーへー!!」
「!…なんだー花道」
「おっ俺のことシッカリ見てろよ」
「え?」
「だっ、だから!俺様の勇姿をシッカリ目に収めとけよっ、て…わかったか!」
クスッ、と笑いが出た。
桜木の顔が真っ赤だったからだ。
「…花道…」
「よーへー?」
「…シッカリ見とくよ、だからヘマすんなよ天才!」
「はっはっは、笑止!
ヘマするなんかありえん!」
嬉しそうに笑う桜木を
水戸はまた嬉しそうに見ていた。
その時、
その様子を恨めしく見ていた狼が何匹も居たことを
桜木はもちろん
水戸さえも気づいていなかった。
「コラ桜木、集合だ!」
キャプテンの赤木剛憲の声が体育館に
こだまする。
桜木は水戸に背を向けたわけだが
その瞬間、藤真がボソリと呟いた。
「…ふん、ムカつくな」
「はい?なんか言いました?」
「いや。」
その同時刻、
海南軍団も黒いオーラを漂わせていた。
「…牧さん、あれ!怪しいっすよね!?
なんか赤毛猿の野郎…顔が…!赤かったっていうか!ねぇ!?
ちょっと牧さん!」
「…桜木の顔が?
…ここからじゃあまり表情までは見えなかった…」
「牧さん、眼鏡…!」
清田が突っ込むと
トンっと後ろに立つ神にぶつかった。
「あっ、神さん!すんま…」
「…」
「じ、神さん?」
「…ん?なに?どうかした、ノブ?」
「えっ…いや、何でも無いっス!」
清田は思った。
(…今、神さん顔がスゲー怖かった)
もちろん、湘北の桜木に片想い中メンズ共も
同じように嫉妬でゴーゴーと燃えていたという…
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