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本当の友達『雨音』
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どうして…?
口に出てしまった言葉はもう戻らない。
「あっいやっ!今のはっ「だって僕達友達でしょ?」
っ…
訂正しようとした僕の声に重なった亜希ちゃんの
言葉。
友達でしょ?そう言った亜希ちゃん。
友達。
今までの僕には上部だけの友達しかいなかったから。
どんなに仲良しでも、どんなに信頼していても
みんな。みんな…
俺の姿を見れば離れていった。
チームの奴らは俺を慕ってくれているけれど、
僕の友達なわけじゃなくて、
チームは俺のチームで、
僕のじゃない…
僕と俺はどちらも僕で。
でも僕はずっとさみしかったんだ。
怖がって離れていく友達をみて…
いつも、誰かを待っていたのかな…
どんな僕も受け入れてくれる誰かを。
俺も僕も認めてくれる人を。
「あ、雨音くんっ!」
え?あ…
頬を伝う温かなものが涙だと気づいた瞬間。
僕は耐えてきたものが一気に流れていくように
涙を流した。
亜希ちゃんはそっと抱きしめて頭をなでてくれた。
「あ、あきちゃっん…」
何度も何度も名前を呼ぶ。
亜希ちゃんはずっと僕に答えてくれた。
僕は…それがとても嬉しかった。
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