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相手が女ならラッキースケベというやつか。
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「んっ…」
いくら桐嶋さんとはいえ、同じような体格の男が上に倒れてきたら辛いだろう。
その点俺は、ベッドとこの人をクッションにするわけだから、
少しも痛くない、全くのノーダメージで事が解決する筈だった。
……のだが。
「んんっ!?」
うっすら目を開くと、
超絶至近距離で見開かれたもう一つの目と視線が重なった。
更に、
唇に押し当てられた柔らかい感触を察知する。
途端俺は青ざめ、絶望の淵に立たされたような気に陥った。
もしかするともしかすると、
今言葉には出来ないような
とんでもないことが起こっているのではないか。
それが疑いではなく事実なのだと
わかってしまった時…
俺は、ベッドから軽く3mは跳躍した。
壁がなければもっと飛んでた。絶対。
「すっすいません!!!!」
俺が反射的に床に頭を押し付け謝すると、
桐嶋さんは怒りか恐怖か何かに震えながら、
「許さねぇッ!!!!」
と返してきた。
…いやいや、ちょっと待てよ。
今のは本当に俺が悪いのか!?
「ででででも!
先輩が引っ張ってきたじゃないですか!!」
「知らんお前が悪い!!」
「そんなぁ…」
落ち着け。どっちのせいだとか、最早そんな事は問題ではないのだ。
何にせよ、俺はこの上司と、
しかも結構思い切り…
キスしてしまったのだ。
気持ち悪いとか熱が移るとか男と男が、
とか気にする前に、バクバクとうるさい鼓動が止まらない。
桐嶋さんは落ち着かなそうに唇を拭って、
脱いであった俺のスーツに擦り付けていた。
「これは……完全アウトだぞ…」
「ですね…」
あってはいけないことが、
割と誤魔化せない程度にガッツリと起因してしまった。
これで、桐嶋さんはきっと、
俺にまつわる黒歴史の二番手たるものを生んでしまったことだろう。
「……さっ
さーぁ先輩! もう1時になりますし、明日体調が良くなることを祈って、
もう寝ましょう!」
そういった俺はどう考えてもおやすみ前らしからないテンションだったが、
今はとにかく、この妙な空気感を壊すのに必死だった。
「…だったら、布団出してやる」
「いいですいいです、
俺ソファで充分なんで…」
「んなわけにもいかねーだろ」
「ぁ…駄目ですって」
ベッドから降りて、二三歩歩いた所でまたふらつく桐嶋さん。
俺が反射的にそれを支えると、
今度はガシッと抱きつかれるみたいな体制になってしまった。
桐嶋さんはビクリと打ち震えたが、
今度ばかりは絶対俺のせいじゃない。
「わ、悪い!」
「いえっ全然大丈夫ですから!!
…っつーか、もうほんとにいいから、とりあえず寝ててくださいよ!」
このままじゃ、何が起こるかわからない。
…いや、これ以上何を起こすっていうんだよ!
そのまま慌ててベッドに倒し込むと、流石に先輩はこれ以上動かなかった。
…というか、動けなかったんだろう。
ほんと、何なんだこの立て続けのハプニングは。
男相手に、変に意識させてくれるな!
「自分で出して使わせてもらいますから…
それ食べてゆっくりしててください」
「あ、あぁ。頼む…」
「あと、シャワー借りて大丈夫ですか」
「あぁ、問題ない…」
桐嶋さんも納得してくれたようだし、
これでとりあえずは、この場から逃げる口実が出来たようだ。
だが桐嶋さんの熱は、
相変わらず酷いままだ。
先にこの一連の全てを忘れ、夢の中に行くわけにもいかないだろう…
全くこんな調子じゃ、先が思いやられる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ああああもう、
神様仏様…なんて信じたことないですけど。
何でもしますから助けてください、
お願いします…
俺、この人の家じゃ、
今夜一睡も眠れる気がしません……!!!!
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