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我慢ならないんです
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「じょ…冗談じゃねぇ!!
2人で仲良くすることかよ!
こんなもん…放っときゃ治まる」
当然俺のお誘いには、怒声だけが飛んでくる。
この桐嶋寛人が、
こんなタイミングに弱って大した力も無い俺の前で、少しくらい流されてくれるんじゃないかとか、思った俺が馬鹿だった。
放っときゃすぐ治まる…か。
それは本当なのかね。
じろっと桐嶋さんの中心に目を向ける。
完全ではないが、ズボン越しに張り詰めているそこは、見るからにきつそうだ。
「まぁそう言わないで。
俺も勃っちゃいましたし」
「はっ?!」
ぎょっとする桐嶋さんに、
ごそごそとスウェットズボンをまさぐってみせる。
生真面目そうに見えて、会社でしてしまうような桐嶋さんなんだ。本当は性欲だって、それなりにあるんだろう。
その人が今こんな状態にって思っただけで、俺の下腹部にも熱が集まってくる。
「ただのマスのかき合いじゃないですか~
大丈夫ですって。俺上手いんで」
「マッ…」
敢えて軽い言い方をして足の方へ手を伸ばすと、それが悪かったらしい。
手加減された力で布団の上に張り倒された。
「汚ぇ言葉使うな、立場わきまえろ!
使えねぇ上に同性愛者の癖に…!!
俺はお前の…ッ!!
上司……なん、だぞ」
なんでそこで自信無くすんだか。
桐嶋さんの怒った怖い顔…
いつもなら恐縮する所だった。
だが今の俺は、俺はふつふつと湧き上がる苛立ちに、小さく舌打ちしていた。
何があっても、どうも上手くいかない。
飲み誘われようが、家に来てくれようが、結局この人は、俺に振り向いてくれるわけじゃない。
そんな訳がないんだ。
男同士。
部下と上司。
偏見。
プライド。
高過ぎる壁を前に
この恋は、きっとどうにもならない …
「上司、ねぇ…
ならもっと堂々と言えばいいのに。
……そりゃ、威厳も無くなっちゃうか…」
「ッんだと…今何つった!」
ぎらぎらと光る桐嶋さんの目。
ああ、久方ぶりにこんなに怒らせた気がする。
こんな顔を前にすれば、きっといつかの俺なら平謝りでも土下座でもするんだろう。
けど、今は… …
無性に泣かせてやりたくなる。
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