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事 後
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「も、最悪…お前いっぺん死ねよ」
「いやぁ…何してもいいって言ったの、桐嶋さ…」
「あ゙ぁ?」
「いえ。なんでもありません」
・
・
・
ついに最終地点まで来てしまったという感じだ。
満足感と少しの罪悪感に浸る俺の隣で、
腰を押さえながら、ゆっくりと体制を変える桐嶋さん。
…やはり無理させてしまったようだ。
あんな時でさえも桐嶋さんは理不尽な人だったが、
同時に、
俺にとっていかに愛苦しい存在かということも再確認された。
「なにせ理性がもたなかったもんで…」
「ふざけんな。
限度ってもんがあんだよ…
本気でどうにかなっちまうかと……」
不平を吐きながら、
寝転がった状態からおもむろに身を起こす。
その後ろから太股までの間に、どろどろとした白い物が流れ出た。
「うわ…な、何か出てる…」
「あー俺のが残ってるんだ。
今ちゃんと綺麗にしますから」
「え。
ぁッ…! ひゃめろ!」
何の躊躇もなく指を突っ込むと、
ドカッと鈍い音がして、思いきりベッドの外へと蹴り飛ばされた。
…今ひゃめろっつったよこの人。
「いってぇ…なんで突き落とすんですか!」
「わ…悪ぃ、つい」
「も?桐嶋さんの足長くてでかいからほんと武器になるんでやめてください。
最中何度蹴られたことか…」
「それはお前が勝手なことばっかするからだろ。
つーかゴム付けろよな…」
「ぐっちゃぐちゃじゃねぇか」と顔を歪めながら、当然のように自ら中身を掻き出す桐嶋さん。
…すげぇ光景だな
凝視しているとまたムラッときてしまいそうだったので、壁の染みにでも目線を外しておいた。
「んー…まぁ最悪桐嶋さんが体調崩しても、
明日は休みなんで。
それに大丈夫。女の子じゃないから孕みませんよ」
「んな心配してねーんだよ…
…やりたい放題し過ぎだ、もっと年上を労れ。
あと3年で30だぞ」
恨めしそうに向けられた目に、
にっこりと笑い返す。
「ふふ…あと2年ですよ、桐嶋さん」
俺が時計を指すと、ハッとした顔をする桐嶋さん。
そう。もう12時はとっくに過ぎている。
気づかぬうちに、新しい年が幕を開けていたというわけだ。
「明けましておめでとうございます!」
「うっわ…
マジであんなことしながら年越したのかよ」
罰当たりだと言いつつ笑う姿に、俺もつられてふっと吹き出した。
「そうですよ~この1年は絶対幸せになりますよ」
「それはどうだか」
去年は後半にかけて、運を一生の運を使い果たしたってほど幸せだったからなぁ。
今は、
こうして一番大切な人と新しい年を迎え、
これからは更に幸せなことが待っているんじゃないかと思うだけで、
胸がいっぱいになる。
本当にこの人が好きで好きで好…
「つーかお前のベッド狭っ。
キッズサイズ?」
「・・・」
…今折角いいこと言ってたのに。(心の中で)
前言撤回するぞ。
「んなわけないでしょ…
文句言うならソファで寝てもらいますよー」
「客人をそんな所で寝かせるつもりか」
昨日の貴方と同じことを言ったんですが。
「はいはい。
…じゃ、また一緒に寝ますか?」
横になってポンポンと隣を叩くと、
桐嶋さんは満更でも無さそうな顔をしたが、「でも狭いから…」と小さく文句を吐き出した。
そこは素直に横になって、感謝の一言でも添えるところだろう桐嶋さん。
「平気平気…
ほら、くっついたら狭くない。
特別に腕枕もしてあげます」
「…ふん、ずいぶん貧相な枕だな」
「なっ」
ほんと普段はひたすら可愛気ないよな、この人…
抱かれてる時は涙ぼろぼろ流して良がってたというのに。
嫌味ばかりにカチンときて、
俺は、一人布団を被りながら桐嶋さんに背中を向けた。
「…わかりました。
もうソファで寝てください」
「えっ…いや、うそうそ。
今のはその、言葉の綾だ。
だから…」
途端に必死になる桐嶋さんに、肩を揺らしながら笑いを堪えた。
天邪鬼なこの人だって、蓋を開ければ小さい子みたいなもんだ。
こういうタイプは、ちょっと冷たくしてやればすぐ慌てるから面白いんだよ。(ドS)
「……ぃ、一緒に…寝るぞ」
きゅっと布団を引っ張ってくる桐嶋さんに、俺は背中を向けつつ顔を覆った。
ああ、これだからこの人は憎めない
「…じゃあおいでよ、桐嶋さん」
憎めないどころか、もう大大大好きだ
くるまったまま声をかけると、
俺より少しばかり体格のでかい男が、
勢い良く負い被さってきた。
「うわちょっと、重っ…固っ…
強い強い! 窒息するっっ!」
「ぁはは、抱き枕が喋んじゃねぇ!」
「またそれですか!?」
夜中の12時半。…
新しい年を迎え、
幸せな時を過ごす2人の男の賑やかな笑い声が、
狭い部屋の中にこだましていた。
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…もう1月3日だってのww
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