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軽い気持ちで読んで下さい
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その夜。
午後8時…
アパート3階桜庭宅では、
壮絶な鬼ごっこが繰り広げられていた。
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「ちょっと、
そんな格好で走り回らないで下さいよ~!!」
「うるせぇ来んな変態!! ウェイト!! ハウス!!」
風呂場から出た桐嶋さんが、
腰巻タオル一枚という何ともお茶目な状態で廊下を逃げ去ってゆく。
そして、それをエプロン姿で追い回す俺。
…この通り、事態は深刻だ。
時はつい15分前を遡る…
桐嶋さんが本日2度目の風呂で極楽に浸っている間、
俺は休日最後の晩餐の支度に勤しんでいた。
…だがしかし。
シャワーの音は鳴り止んでいるのに、いつまで経っても桐嶋さんが上がって来ない。
おかしいと思った俺が風呂場に様子を伺いに向かうと…
なんと桐嶋さんは、
足拭きマットの上で考える人のポーズをとって何かに悩み苦しんでいた。
「どうしたんですか、桐嶋さん!?」
心配して声をかける俺を見るなり、
彼は苦々しい顔で、
ただ一言…
「換えの下着がねぇ」
…そう呟いたのだった。
ーーーーーーーーーーーー
「桐嶋さん!! 何の為に俺がいると思ってるんですか!!」
「少なくとも非常時に下着を借りる為ではないだろうな!!」
せっかく貸そうとしてあげている俺のパンツを、桐嶋さんはなかなか受け取ってくれないのだ。
「同じものを履き続ける方が不潔だ」とか、
「人に借りるくらいなら今からでも買いに行く」とか、そんな論争がエスカレートし、
こうして鬼ごっこが始まるに至った。
いい歳した男2人が、狭い部屋をドタドタと駆け回るなんて…
これはまた苦情が来る、そろそろ大家さんに追い出されそうだ。
そんな事を頭に過ぎらせながら、
逃げる桐嶋さんの危うい下半身をガン見していた。(おい)
「はぁ…はぁ…桐嶋さん…
ちょ、一回ストップ…」
手で待ての制止をかけると、以外にも素直に立ち止まる桐嶋さん。
俺はぜいぜいと荒い息を整えつつ、
桐嶋寛人27歳、本来なら右肩下がりしていく筈の体力に感服していた。
この一連においてわかったのは、
腰巻タオルは意外にもガードが固いってことくらいだ。
「なんで…なんで、
そこまで頑なに俺のパンツを拒むんですか」
「はぁ? 人として恥ずかしいからだろ。
綺麗な保証はないしな」
「ピカピカだよ!!」
まったく。
言うなぁこの人…
軽くカチンときている俺に、
桐嶋さんはリビングで仁王立ちのまま続ける。
「大体、お前ん家に泊まることになったのだって急だったわけだし…そうでなかったら…
ちゃんと用意とかは、その…」
なにそれ。
出勤鞄と一緒にお泊まりセット準備して来る桐嶋さんとか、爆笑もんなんですけど。
「…じゃあ何ですか。
貴方はこの今日のパンツ一枚で、
明日の仕事終わりまで乗り切るつもりですか」
「おい、何で手に持ってんだよ!?」
突然現れた片手の黒い布に、
桐嶋さんはぎょっと目を凝らす。
なんでも何も、さっき脱いであった服からあさりました。
にしても、銘柄もしっかりこだわっちゃって、下着まで上質とはムカつくぜ。
「これは後で俺が洗っておきます。
手洗いで」
「洗濯機に任せんかッ!!
…はぁ、もう嫌だ…もう、疲れた」
ぐったりとその場に崩れ落ちる桐嶋さん。
小さい子供みたいに、
ただひたすら走ってたからな…
俺は床に手をついてくたびれている桐嶋さんの前にしゃがみ込み、
かなり威圧をかけた口調で言ってやった。
「で? どうするんですか。
2日同じものを使うか…
俺のパンツを借りるか。
…もしくは明日1日…
何も履かずに過ごす、か…」
どす黒い笑みを浮かべる俺。
3つ目の提案を聞いたあたりで、
この潔癖気味の男の顔から、
サーッと血の気が引いていくのがわかった。
やがてたっぷり分ほど答えに迷った桐嶋さんは、ちらりと俺の方を伺って、
またがくりと床に頭を落としてしまった。
「………お前のやつ…貸して下さい…」
細細と聞こえた声に、
俺はにっこり微笑む。
「はいはい。
さぁご飯食べましょう、
今夜はカレーですよ」
…こうして…
俺の3枚セット1000円の下着を借りた桐嶋さんと共に、
この休日も終盤を迎えることとなる。
日記でも付けたいような、
そんな楽しい2日間も、
こうして賑やかな余韻を残しつつ、幕を閉じてゆくのであった。
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突然のギャグ。桜庭が変態。
下着のことを突っ込むのなら、朝風呂の時点で何故気づかなかったのかということだ
( •̅_•̅ )w
てゆかよく考えたらこれ桐嶋さん明日1日会社で桜庭のパンツ履いとかなきゃ。大変ー
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