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秘めるココロ
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side:弓月
…貴澄…
何処行っちゃったの
君の居ない部屋は日々色褪せていく。
リビングのソファに座りながらボーッとスマホの貴澄の写真を眺めるけど、どれだけ眺めようと本物にはならない。
「弓月、何してるの?お風呂一緒に入ろ?」
「…鈴…ん、先行っててくれる」
「わかった。早く来てよね」
…誰も貴澄の代わりになんてなれやしない。
虚しく、哀しい
何もこの手にはない
全てが無駄なんだと、感じてしまう程に。
貴澄ー…僕は会いに行く。
話したいから…
例え拒絶されても、顔だけでも見れればいい。
だから居場所を教えてー…
ーーーーーー
宛先 貴澄
件名
貴澄、僕のことがまだ少しでも気になるならお願い…今何処にいるのか教えて?
僕は貴澄のことが好き。
だからお願い、話をしたいんだ…
ーーーーーー
僕はスマホをリビングの机に置き、風呂場に向かった。
ピロロロンと、僕の心とは裏腹に軽快な音を立てて送られたメールが、後に更に亀裂を大きくするだけの物だと知ることになるなんて、このときの僕は知らないー…
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