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明けてのデジャヴ
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あのデートから暫く経ち、ついに長いようで短かった春休みが明けた。
もちろん長期休暇は楽だから好きだけど、学校があると雪にもナギにも会えるから嬉しい。
でも、だからと言ってメイくんの寝坊助が治っているわけもなく…
「メイくんんんッ、早く遅刻しちゃうよお!」
「先輩ほんっとごめん!」
もちろんメイくんはいつも通り、起こしても起きてくれなくてバタバタと忙しない朝。
だけどそれが当たり前なのが幸せで、つい笑っている場合ではないんだけど笑ってしまう。
そのぐらい幸せ…
だけどこのときの僕はこの後、辛いことが起こるのをまだ気づいていなかった。
「め、メイくん!時間があ〜っ」
チラっと時計を見ると、短い針が既に8時を回っている。
「うっそ、やば!」
ガタガタと急いで玄関へ行き、靴を履き家を飛び出すように出る。
走るとやっぱりメイくんは完璧なようで、ダーッと一瞬で向こう側まで走って行ってしまう。
は、速い…
でも走ってるメイくんもカッコイイ…
ぽーっと見とれていると、メイくんがダッとこちらへ戻って来るとぐいっと僕の手を握った。
「先輩、行こっ」
メイくんはそう言うと、僕を片腕で抱っこした。
うっ、運動部の力恐るべし
というか…
「メイくん!恥ずかしいよおおお降ろしてえええ」
バタバタと暴れるけどメイくんは離してくれなくて、寧ろ楽しそうに悪戯っ子の様な笑顔を浮かべた。
それに見とれていると、メイくんは容赦なく僕を抱えたまま走って行く。
ウワァァァ高いし恥ずかしい外国人の血怖いいいっ
だけど嬉しくて、僕はぎゅっとメイくんの首にだきついた。
そんなこんなで気を取られていた僕は、僕達の数メートル後ろに人が居ることには、全く気づいていなかった。
‐パシャッ‐
「メイくん…」
その人が撮った写真には、僕の姿が映っているなんて誰がわかるんだろう
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