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王国騎士団
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「君、可愛いね。今晩、俺の部屋に来ないかい?」
茶髪の男性が真っ白な髪の少女…否、少年の肩に馴れ馴れしく手をかけ、ナンパをしている。
この男性、背は高く、タレ目がちな目は甘いマスクを更に甘くさせて、女性なら誰もが卒倒しそうな色気を放っていた。が、ナンパされている本人は至って平静であった。
「お兄さん、だれ?今日はヒマじゃないんだぁ。クロエと買い物に行くから」
「クロエ?もしかしてクロエ ベリル?」
「わぁ、お兄さんはもしかしてクロエのお友達?」
溢れそうな大きな紅い眼をキラキラさせて、少女のような美貌をもつ少年は、茶髪の男性に問う。だが、男性はクロエという名を聞いて、青くなってしまった。
「ごめん、俺、ちょっと用事思い出しちゃった。またね子猫ちゃん」
「僕、猫じゃないよ?バイバーイ!」
そそくさと去ってしまった男性に、少年は不思議そうにキョトンと首を傾げた。
*
港町エルドベリーの冒険者ギルドといえば、誰もがその名を知っている。そう、ここは「白き聖杖」。
「ナ、ナンパだと!?おい、シロ、大丈夫か?何もされなかったか?触られたり…セクハラされたり…してないよな?」
「何もされてないよ?。良い人だった!夜に部屋に来ないかって誘ってくれたんだ〜。今日は無理って断ったけど」
「な………!?!?」
「落ち着きなさいよレオン…で、もしかしてその男、"茶髪で金色のタレ目で胡散臭くて背が高い男"だった?」
先ほどの白髪の少年、シロ クォーツァイトはギルドに戻った後、いつものメンバーに今日の事を報告していた。
さっきから話を聞いて赤くなったり青くなったりしている赤毛の精悍な男性は、レオン アルマンディン。そして冷静にいなしている長い黒髪の女性はクロエ ベリル。
どうやらクロエはその、シロがナンパされたという男性に心当たりがあるようだった。
シロはクロエの問いに、うんうんと頷く。
「あいつ…なんだってこんなトコに来てんのよ……」
「お前の元カレとかかよ?」
「違うわよ!!……何でもないのよ」
「???」
何でもないと言ってはいるが、そうは見えない様子のクロエは、ギルドの円卓に腰掛けたまま、何かを考え込むように腕を組んで虚空を見つめている。
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