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レオンは町の東から中心にかけての商業区にて、聞き込みを行っていた。東門と貧民街に程近い酒場で、レオンは妖しげなマスターと話している。
「泥棒ですってーん?ああ、あのお高くとまってる貴族共の家を荒らして回ってるらしーわねーん」
「ああ、なんか知らねえの?えっと、お姉さん?」
「あらボウヤ!分かってるじゃなーい!サービスしちゃおうかしらぁん!」
「サービスは要らねえけど、情報をくれよ」
「もう!ワガママなのねーん!嫌いじゃないわぁん!」
マスターはウェーブのかかった芸術的な口ヒゲをプルプルさせながら、レオンに耳打ちする。
「この所、富裕層の誰かがとんでもないお宝を手に入れたって噂よん。それと同時にこの騒ぎが始まったわん」
「とんでもない宝?」
「ええ…ヤバいクスリらしいわ」
レオンはごくりと息を呑む。
「そのコソ泥のアジトとか…」
「これ以上はアタシも知らないわぁん!知ってたとしても、命が惜しいから教えられないわよぉん!……坊やが一肌脱ぐなら考えなくも」
「いや、これ以上はいいぜ。ありがとよ」
「あら!残念!サービスしようと思ったのにぃん!」
「いらねー!じゃあこれ、お代な」
「ま、こんな沢山!?……坊や、またおいでねーん!」
ぴらぴらクネクネと手を振る店主に片手を上げ、レオンは店の外に出た。
同時に店内から数人が後を追うように出て行くのを、店主は横目で捉えながら呟く。
「……気を付けなさいね、坊や」
商業区から貧民街にかけての路地をレオンは歩いていた。そして、ふいに足を止め、先程から後ろをつけて来ているのであろう男達に問いかけた。
「噂のコソ泥って、お前ら?」
「………」
気配から察するに2人。
レオンの問いかけに答える事は無かったが、彼等はそれに応じるように殺気を放ち、そして動いた。
レオンは振り向きざまに剣を構え、男達が繰り出すナイフの斬撃を全て弾く。
「危ねーな!何しやがる!」
「…コソコソ嗅ぎ回りやがって…傭兵か?」
「…どうでもいいさ…此処で死んでもらう」
再び2人が代わる代わるナイフを振るうも、レオンは身の丈程もある大剣をうまく操り弾き返し、ナイフはレオンに擦りもしない。
焦りが出てきたのか、男達の攻撃はどんどん隙が出来始めていた。
「くそっ!!!当たらねー!」
「あ、兄貴ィ!こいつ思ったより強ぇよ!」
「おい、何処見てんだよ?隙だらけだぜ?」
レオンの放った蹴りが兄貴分と思われる男性の背中を直撃し、彼はもんどり打って倒れた。気を失ったらしい。
その様子を見て、弟分らしき男は恐れ慄き、ナイフを放り出して逃げ出した。
「おいおい、大事な"兄貴ィ"じゃねぇのかよ!?…まぁいいや、おい、起きろ」
「ぐっ!」
倒れている男を拘束し、レオンは男の頬を軽く叩いて目を覚まさせる。
「ほら、お前の弟分は逃げ出しちまった。さっさと全部吐いちまった方が楽になるぜ」
「だ…誰がテメェなんかに…」
「その男、富裕層の奴だね。グロウン伯爵の息子さん」
「……いつから居やがった…おっさん」
重そうな甲冑を着ているというのに、気配も音もなくレオンの後ろから現れたのは、王都騎士団団長であり、この件の依頼主でもあるオリオンだった。
「気配を消すのは得意なんだよ」
「あ……あんたは王都騎士団の……」
「団長をさせて貰っているよ。で、ユゴー グロウン氏、事情は話してもらえるね?……断ればどうなるか、分かっているね?」
「ぐ…!!!くっそぉぉお!!!」
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