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1日目 4
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「………んでここがー……」
「うんうん」
「…近いんだけど」
「気にしないで」
女子達に学校案内するとか誘われていながらも全て断り、俺と回っている
授業中もイケメンは半端なかった
…学力も半端ない、イケメンはイケメンでしかなかったという訳だ
先生達も驚くくらい頭が良く、それはそれでまた女子達が騒ぐ理由となった
しかし…このスキンシップはヒドイ。好きな女子にでもやればイチコロだろう
背が俺より高いから後ろから抱きしめられるとすっぽり腕の中に収まり、顎を俺の頭の上に乗せ、匂いをかいだり、時折耳に息を吹きかけて遊ばれている
…別に俺が小さいとかそんなんじゃないぞ。
そんなことは置いといて、俺の話に相槌を打つ時に耳元で低く言われたり、嬉しそうに頷いたり楽しそうなのは何よりであるが、俺じゃなくて女子にやれとしか言えない
…面倒いし言わんがな…
「大体こんなもんか…分かんないとこは誰かに聞け。んじゃな」
放課後ということもあり、教室に戻ると男子が数人、女子がたくさんいた
多分学校案内が出来なかったからせめて帰りくらいは!とか思ってんだろうと思い、俺は鞄を取って出て行く
はぁ…やっと一人に…
と思ったのもつかの間、後ろに強い力で引っ張られた
「うぉ⁈」
「一緒帰ろ?」
「…は?」
首だけ振り返ると困った表情で眉を下げている陽介がいた
その後ろには女子が見えて驚いた表情や悔しそうな顔、嫉妬からか俺を睨むやつまでいた
「…あいつらは?」
「りっちゃんが、いい…」
こうなった陽介は意地でも自分の意見を通す、小さな頃と同じだ
しかし、決定的に違うのは縋り付くように俺を抱きしめていること
「…はぁ…」
「っ…!」
一つため息を吐いただけでもビクリと体を震わせ、何かを怖がっているように見える
「…いいよ、帰ろう」
「ほ、んと?」
「うん、だから早く用意してこい。先行くからな」
「う、うん!」
俺の返事が意外だったのか声を微かに震わせていたのに俺は気付いていた
しかし、気づかないフリをして陽介の顔を見てニッと笑うと嬉しそうに教室へと戻っていった
俺は離れたのを確認するとそのまま下駄箱へと向かう
「ちょっと!」
「…何?」
しかし、それは後ろにいた女子によって止められることとなる
「私たちが先に誘ったのよ⁉︎横から掻っ攫っていくなんて常識外れとは思わないの⁉︎」
「そうよ!陽介くんは私たちと帰るの!」
一人が文句を言いだすと全員が口々に言いはじめる
それを華麗に受け流すほど俺は陽介みたいにカッコ良くないんでね。
「別にあんたらがどう言おうが関係ないが、陽介に決める権利はないのか?お前らと行こうが俺と行こうが陽介が決めることだろ」
お前らに陽介の行動を一々決める権利があるのか?と聞いた
ぐっとおし黙る女子達を俺は何とも思わなかった
「どうせならあいつに好かれるようになればいいんじゃないのか?」
そう言って俺は昇降口へと向かった
今は女子になんと思われようがどうでもいい、陽介が怖がらないならそれでいいと思うのは俺がおかしいのか…それとも…
それを陽介は教室の中から聞いており
「やっぱりりっちゃんはりっちゃんだね…俺の大好きな人…」
そう、陽介が呟いていたなんて俺たちは知るよしもない
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