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CDショップの店の中は比較的空いていた。学生たちも少なくて陳列している店員が近くにいるぐらいだった。
俺は目当てのCDを早々に手に取り、他に目ぼしい物はないかと物色しながはフラフラ歩いていた。
スメラギも自分の好きな物を探しに行ったので、離れてくれて少しほっとしている。
見て回ってる内にふと目についた歌手の名前が、前にジムの友達が好きだと言っていた女性シンガーな事を思い出した。
たしか、歌声が綺麗で癒されてそして尚且つ胸がでかい天使の様な女性らしいな。
ジムで知り合った友達が熱弁している様を思い出してクスッと笑っていると
「何、その子好きなの?」
俺の左後ろから覗き込む様にスメラギが顔を覗かせた。
「ああ、友達がこの子を好きらしい」
内心急に近くに現れたスメラギに驚いていたが、これぐらいの事で驚いてる自分を知られたくなくて、平静を装いながら返事を返した。
俺の言葉に何故かスメラギほビックリした顔をして「…友達いたんだ…」と小さな声で言った。
なんだその認識は…流石に酷いぞお前と思いながら近くの顔をジト目で睨む。
「俺にだって友達の1人や2人いる」
1人はスメラギ、2人目は最近出来たばかりのジムの友達だ。
俺は正直だぞ、1人や2人は友達がいるのは本当の事だ。嘘は言ってない。
「友達が出来たなんて聞いてない」
スメラギは釈然としないと言った様な顔でそう言うと、肩に顎を乗っけてきた。
「………嫉妬する」
そう言うと顔を近付けてきて、俺の頬に軽く唇が当たった。
(??????)
空気が凍った気がした。硬直するとは今の状態を言うのだろうと思う。
絵に描いたように混乱しているだろう俺にスメラギは追い打ちをかけるかの様に
「あ、赤くなった!」
と嬉しそうに俺の耳を触ると顔を近付け、そこにも唇をくっつけた。
脳内処理オーバーを起こしたおれはスメラギを凝視する事しか出来なかった。あれか?欧米式のコミュニケーションの一つなのか?
それにしては、この今からされるであろう俺の唇に近付いてくるあいつの口は明らかに友達とする挨拶じゃないと危険信号が鳴っている。
1人あたふたと考え事をしている間にもスメラギは優しく俺の頬を撫でると、そのまま固定するかの様に力を入れてきた。
そして愛おしそうに俺を見つめながら顔が迫ってきたのだ。
これは、違う。友達の挨拶じゃない。
そう思うと同時に俺の右手はスメラギの口を覆っていた。
「ふぁんで?」
何で?とでも言っているのだろう、心底不思議そうに見つめてくる相手は知らない内に俺の腰までも抱いていた。
「何ではこっちのセリフだが?」
そう睨みながら言うが、むしろ相手の方が解せないという感じで迫ろうとする顔に力を入れた。
俺もガードしている右手に力をいれ抵抗した。
「こんな所で何考えてんだ、離れろ」
俺のその言葉を聞き、ハッとした様に周りを見渡し離れるスメラギに安堵する。
幸い近くには客はおらず、隅の方だった為人目は無かった。
ほっとすると同時に何でこんなトチ狂った事をしたのかと問い詰めようと声を出そうとしたが
「ごめん…」
とスメラギの方から謝られて勢いを失ってしまった。
「あ、いや俺の方こそごめん」
反射で謝り返してしまった。そう俺が言うとスメラギは、はにかむ様に笑いながら
「オレ、今日嬉しくって浮かれすぎてた。付き合ってくれるだけでも嬉しいのに、色々と早すぎたね…。」
ん?何か違和感を感じる。
「ルイはこんな人目がある所じゃ嫌だよね」
人目どうこうよりも、行おうとしていた事が問題なんだが…
「今までルイの近くに居たのオレだけだった筈なのに…知らない内に友達が出来てたって知ったら、我慢できなくて」
まて、これは何だかまさか…
「すごく悩んで告白したから…ルイがokしてくれるとは思ってなかったから余計今日の嬉しくてさ」
だから歯止めがきかなかった、、、っと照れた様にスメラギは笑った。
そのまさかだった!!!!
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