アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
四
-
初日から麻雄先輩は変わっていた。後々もっと変わり者だということを思い知らされるようになるのだが、この時はまだ僕の中ではちょっと変わった白い人というイメージだった。
ある程度会社にも慣れてきた頃、麻雄先輩とも世間話をするくらいには仲良くなってきた。
その日は外周りの空いた時間に、公園のベンチに腰掛けいつも通り世間話をしていた。
「麻雄先輩ってあんまり自分から、自分の話をしないですよね」
「どうしたんですか?」
遠くの噴水を見る先輩は、ビー玉の様に澄んだ瞳で子供ような幼さを連想させた。
「僕のことは結構麻雄先輩に話しているので、狡いな。と…」
笑い混じりに言ってみた。
「あなたは、私がきいていないのに話しているじゃないですか。」
麻雄先輩は、嫌味っぽくなく仕事で間違いを指摘するがごとくの口調だった。
「まぁ、そうですけど。」
「私は他人に、自分話をするのが苦手なんですよ。じゃあ逆に私の何を知りたいんですか?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 45