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二十九
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「どうですか?この際ちーくんもやってみませんか?」
麻雄先輩がいつになく目を輝かせている。
「麻雄先輩。ちーくんって呼ぶの恥ずかしいので、やめてくださいよ。そして、僕はやりませんよ。」
そういった類いのファッションが頭から足元まで揃えるとなると、かなりの金額になるのは麗華の影響で知っている。
王子系ファッションなどに興味が無いわけではないが、高価な金額を出してまでやろうとは思わない。
「そうですか、残念ですね。今度一緒に買い物にでもと思ったんですが。」
「買い物くらいならご一緒しますよ。自分では着ないだけで、そういうファッションは好きですから見ていて楽しいです。」
僕がそう言うと麻雄先輩は、嬉しそうに小さくガッツポーズをしていた。
何故この人はこんなに可愛い反応をするんだろう。
女性をデートに誘ったって、こんなに嬉しそうにしてくれた人は僕の人生では今までいなかった。
「いやー。入須くんとは、趣味が合いそうで良かった。」
そう言って綺麗な顔で笑う麻雄先輩を見ると、この笑顔をもっと見せて欲しいと思った。
その後、レストランを出て午後からの仕事に取り掛かっている最中は頭の中は麻雄先輩でいっぱいだった。
「ここのパンはやはり最高ですね。」
何て言いながら、幸せそうな麻雄先輩は何度思い出しても魅力的だった。
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