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三十
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その日仕事が終わると、急いで着替えてライブ会場に向かった。
携帯に連絡があり、麗華は先に着いているみたいだった。
途中、最寄りの地下鉄の駅で手荷物を最低限にしてコインロッカーに全て預けた。
会場に近づくにつれ同じライブに行くのであろう、グッズなどを持った人が増えていき、ライブ特有の緊張感と雰囲気でテンションが上がる。
僕の好きなバンドは大体がここの会場を使っていることもあり、前にも来た事が数回あるこの会場は、どの辺りに何があるかは基本的に把握している。
そして、会場に到着するといつも整列場所となってる辺りで麗華を探した。
遠くの方で麗華は僕の知らない女性と話しているようだった。相手の女性は黒っぽい服装で、髪に紫のメッシュが入っているかっこいい雰囲気の人だ。麗華はいつも通りロリータファッションで来ていたが、それは予想の範囲内だった。
激しい感じの曲が多いバンドというだけあり、周りの人は黒っぽい服装やロリータ系ファッションの人が多い。その中で、普段は街の中でも目立つであろう二人は周りに溶け込んでいた。
「遅くなってゴメン。」
二人の会話の隙を見計らって声をかける。
「大丈夫だよ。お姉さんが声かけてくれたの。仲良くなっちゃった。」
この手のマイナーバンドのライブでは良くあることだ。1人で来ている人同士で声を掛け合って仲良くなることも多い。
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