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エンディング(1)ーアランとエドガー
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時は遡り…
3日目・昼
side:アラン
島がどんどん遠ざかっていくのを、エドガー先輩と並んで黙って2人で眺めている。完全に見えなくなったところで、エドガー先輩はほっとため息をついた。
「逃げられてよかった。大丈夫か?その…体とか…」
「大丈夫です!僕は誰も襲ってませんし、襲われてもないです」
「そうか」
エドガー先輩は僕をぎゅっと抱きしめた。息を吸うとエドガー先輩のにおいがして、気持ちが落ち着いていく。
「あっ、すまない。安心してつい」
エドガー先輩はぱっと体を離した。
「先輩」
エドガー先輩のシャツをつかんで引き寄せる。
「アラン?」
「離れないでください…」
「あ…ああ…」
僕の肩にそっと手が置かれる。
「あの、先輩、どうしてここに助けに来れたんですか?僕先輩に気づかれないように頑張っていたんですけど」
「ああ、それは……アランに1つ謝らなきゃいけないことがある」
「え、なんですか?」
「最近アランの様子がおかしいと思ってたからな…アランの持ち物に、盗聴器とGPS、仕込んでたんだ」
「…え?」
「悪かった、本当に」
それってつまり、今までの会話は全部聞かれてたってこと?
ということは…
「…また、どこかへ行っちゃうんですか?思い出したんですよね?前のゲームのこと…」
「…ああ、思い出したよ。アランと透の会話も、聞いていたから」
今までの努力はなんだったんだろう。
それじゃ全く、意味がない…。
僕がうつむいていると、エドガー先輩はため息をついた。
「アラン、どうしてこんな危険なことしたんだ」
「そ、それは!エドガー先輩に戻ってきてほしくて」
「どうして私がいなくなったのか、わからないのか?私はアランのことを襲ったんだぞ?アランのことが、男として好きなんだ。これ以上一緒にいたら、絶対迷惑をかける」
「かかりません!僕だって、エドガー先輩のことが好きなんです。エドガー先輩のためだったら、なんだってできます」
「こんなことは、しないでくれ」
「どうしてですか?僕はエドガー先輩のために、過去の出来事を消して、身代わりになったんです。そうしなきゃ、きっともう二度と会えなかった」
「会わない方がいいんだ、アランを傷つけないためには。それなのに…私が気づかない間に、こんなことしてたなんて…」
「どうして、僕が傷つくって決めつけるんですか?僕もエドガー先輩が好きなんです」
「だからその好きは…私の好きとは違っていて…」
「違わないです」
僕はエドガー先輩に顔を寄せ、そっとキスをした。
「僕はエドガー先輩を愛しています」
「え…」
「昨日助けてくれたの、すごく嬉しかったです。ちょうど、エドガー先輩に助けてほしいって思ってたから、ヒーローみたいに見えて、かっこよかったです。エドガー先輩のためって思うと勇気がたくさんわいてきて、なんでもできます。体が触れていると…ドキドキします」
「アラン…」
「これって、好きってことですよね。愛してるってことですよね。信じてくれませんか?」
必死な思いでエドガー先輩を見上げると、先輩は顔を赤くして僕を見つめていた。
「…本当に、信じていいのか?」
「はい!」
「…わかった」
「先輩!!」
エドガー先輩はゆっくりと僕を抱きしめた。
「俺も愛してる…幸也」
幸也…僕の本名だ。久しぶりに呼ばれて、なんだか恥ずかしい。
「嬉しいです…直生先輩」
僕はこれから先も、ずっと先輩と一緒に生きていく。そう、心に決めた。
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