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エンディング(3)ーショウヤとシン
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7日目・昼
side:シン
近づいている俺と目が合うと、ショウヤは逃げるように立ち上がり、部屋の方向へ歩いていった。
「待って、ショウヤ!」
背中に追いついて腕をつかむと、さっと払われてしまった。
「え…?」
「あっ…」
ショウヤは自分の手をじっと見ている。
「あの…話したいことがあるんだけど」
俺がそう言うと、ショウヤはゆっくりと顔を上げた。
「…何?」
「えっと…」
ちらっと振り返ると、ヤスがこちらを見ているのがわかった。
「…ちょっと場所変えない?」
ショウヤは無言でうなずいて、個室の方向へと歩いていった。
ショウヤが使っていた部屋で2人っきりになった。
重い空気の中、おそるおそるショウヤに尋ねる。
「あのさ、さっきヤスに聞いたんだけど…その…ショウヤはヤスに…」
「犯された。無理矢理」
「そ、そっか…」
やけに淡々と話す様子が、逆に心配になる。
「…で?」
ショウヤはじっと俺を見つめた。
「それで、何?」
「えっと…ごめん。俺が謝っても仕方ないんだけど…俺と関わらなかったら、こんな目にも合わなかっただろうし」
「別にいい。シンのためなら、別に」
「本当に…?」
俺はすっと手を伸ばし、ショウヤの手に触れた。
するとショウヤは反射的に手を引っ込めてしまった。
気まずい空気が流れ、ショウヤはため息をついた。
「これは、いずれ治るから。気にするな」
「そう…」
「それで、返事はどうなんだ」
「返事?」
「ヤスと別れて、俺と付き合ってくれるのか」
「……」
ショウヤはまだ俺と付き合う気があるのか。ヤスにひどいことをされたのに。俺と付き合ったら、この先また苦しいことがあるかもしれないのに。
「俺はお前を幸せにしたいんだ。あんな最低のやつのことなんて忘れて、俺のところへ来てくれないか」
ショウヤは震える手で俺の服を掴んだ。
そんなショウヤの様子に、ふらっと流されそうになる自分がいる。
「…ごめん、ショウヤ。今の自分じゃ、ちゃんとした答えを出せそうにない」
「…はあ」
「ヤスとは一旦距離を置いて、ショウヤのことはもっと知って、それから…っ?!」
急にショウヤが距離を詰めてきたかと思うと、俺の頭をつかんでキスをしてきた。
そしてすぐに体を離し、下を向いて深呼吸した。
俺が何も言えずにショウヤを見ていると、ショウヤは顔を上げて俺に聞いた。
「ドキドキ、した?」
「え?!えっと…そりゃ…」
「ヤスとどっちがドキドキする?」
「え………?」
「…じゃあ」
ショウヤはそれだけ言うと1人で部屋を出て行ってしまった。
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