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超能力編〜メンバー紹介〜
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部屋の電気がつくと同時に、心の見えない人はいなくなり、戸惑っている僕たちだけが残された。
「えっと…ところで…この中の全員が超能力を使えるってこと…?」
尚ちゃんは部屋にいる人をぐるっと見て、最後に僕を捉えた。心がズキッと痛む。
隠してたの…怒ってるかな?
「そうみたいだね!面白いなー」
さっきまもりちゃんと話していた美少年と似た顔をした人が、にこにこしながらそう言った。
「あのあの!とりあえずみんな、自己紹介しませんか?自分の名前と使える能力について!」
まもりちゃんが手を挙げてそう言った。
「馬鹿だねーまりも。能力を明かしちゃってもいいの?今夜誰かが襲いにくるかもしれないのに」
似た顔の人がくすっと笑った。
「もー、まりもじゃないし!大丈夫。襲われたってなんやかんやなんとかなるよー!ゲームなんて嘘に決まってるし。わたしの名前は灯野まもりです。使える能力は、パイロキネシス。炎を自在に操ることができまーす。じゃあ時計回りに、次の人どうぞ!」
まもりちゃんの隣にいたのは、彼女とは正反対に暗い雰囲気の女性だ。目を隠すように前髪を垂らしていて、右目に眼帯をつけていて、表情がわからない。
「……わたしは、石動愛子。目が合った人を石に変えることができる」
「愛子ちゃんっていうんだ!よろしくね!だから眼帯してるんだねー。でも大丈夫!今は超能力きかないらしいし、外してもいいんだよ」
「……してないと、不安だから」
「そっかそっかー!なるほどねー!」
まもりちゃんがテキトーな相槌を打つのを、愛子さんは無言でじっと見ているようだった。
愛子さんの隣にいるのは、ガタイのいい男性だ。
「俺は風見強矢だ。能力はまあ…風を操るって言えばいいのかな。大学で運動部に入ってるから、体力には自信がある」
「へーなんかすごい」
「まもりちゃんだっけ?君可愛いね。後で俺の部屋来てよ」
「遠慮しまーす」
まもりちゃんはさらっと流し、風見さんの隣にいる女性に目を向けた。かなり小柄でフリフリの服を着ている。そしてなんだか眠そうな表情をしている。
「わたしは蛭間夢。ふああ…もう寝ていいかな。おひるねの時間なんだよね」
「待って待って!能力は?」
「子守唄。どんな人でも2秒でオトせるよ」
「ほえー。聞いてみたいなー」
「…あんたは嫌」
「ええっ?!」
ショックを受けている様子のまもりちゃんを尻目に、夢さんの隣の人が自己紹介を始めた。
「俺は日吉覚。幻覚を見せることができる。普段はそれを利用して詐欺をよくやってたな。はははっ」
まったく悪気がなさそうに笑っている。人の良さそうな顔をしているけど、かなり悪人なんだろう。こういう人に対しては僕の能力はとても役立つ。
「えー、詐欺なんてダメですよ!」
「まーまーまー!今は助け合っていきましょ」
「えー」
まもりちゃんは不満そうな顔をしている。
「えっと、じゃあ次は僕でいい?」
僕たちがここに来た時にまもりちゃんと話していた美少年が手を挙げた。
「僕は二木工士。能力は手を触れずに物を動かすこと。念力とか、サイコキネシスとか、そんな感じ。まもりちゃんとは幼なじみで、隣に座ってる操士とは双子です。早くここから出られるように…頑張ります」
「ありがとう工士くん!」
まもりちゃんが工士くんに手を振っている。仲がいいみたいだ。
「相変わらずつまんない人間だよね、工士は」
操士と呼ばれていた、双子のもう1人がふっと鼻で笑った。
「ご、ごめん、操士」
「僕は二木操士。能力は工士と一緒だけど、僕のが上手く使えるんだー。超能力を使って戦うなんて、すっごく面白そうだよね。早く殺してみたいなー」
操士くんはにこにこしながらとんでもないことを口にした。
「ちょっと操士くん!人を殺すなんてだめだよ」
「聞いてなかったの?このゲーム、超能力を使って人を殺さないといけないんだよ?」
「えっ…そんなこと…ないんじゃない?ありえないでしょ!」
「今晩の犠牲者はまりもで決定だね〜」
「えー、なにそれ!」
騒いでいる2人の横にいる人が手を挙げた。
「次はわたしでいいかしら?」
「あ、どうぞどうぞ!」
ショートカットでかっこよくて、しっかりしてそうな雰囲気の女の人だ。
「わたしは加古広衣よ。製薬会社に勤めているわ。物に触れるとその持ち主の過去が見える能力を持っているの。サイコメトリーっていうのよね?」
「そうなんですねー。もしかしてそれで手袋をはめてるんですか?」
まもりちゃんが手袋を指すと、広衣さんははっとして手を隠した。
「ええ、まあ…。ごめんなさい。気味悪いわよね」
「そんなことないですよー!わたしたちみんな超能力使えるんだから、仲間みたいなもんです!」
「このうち3人は夜になると人を襲うらしいけどね〜」
「もー、そんなわけないじゃん。操士くんは黙ってて!」
次にメガネをかけた男性が手を挙げた。
「えー、次は俺の番だね。俺の名前は相馬隼人。瞬間移動をすることができる。大学で物理を勉強していて、いずれ自分の能力について論文を書きたいと思っている」
「はー。頭良さそう。頼りになりそう!」
隼人さんはメガネをくいっと持ち上げた。
「物理以外のことは、あんまり」
次に、なんだかセクシーなお姉さんが口を開いた。
「わたしは若草綾乃。自分や他人の身体年齢を操作する力を持っているの。普段はその能力を活かして色んな雑誌でモデルをしていたわ。色んな、ね?」
まもりちゃんはしばらく無言で綾乃さんを眺めたあと、小声で質問した。
「実年齢、いくつなんですか?」
「次いきましょ、次」
綾乃さんはかぶせ気味にそう言って、作り笑いを浮かべた。
次は僕の番だ。
「僕は内藤知真。能力は…人の心の声が聞こえる。考えてることが、全部わかるんだ」
ちらっと尚ちゃんを見ると、驚いているのかいないのか、優しく笑ってくれた。
「俺のことは気にしなくていいよ、知真」
「尚ちゃん…えっと…あとで色々話したいな」
「うん。ほんと、気にしなくていいからね」
「尚ちゃん…!」
「あの…ちょっと2人の世界から戻ってきてもらっても…?」
まもりちゃんに声をかけられ、はっと気づくと全員がしーんとしていた。
「あ、俺も自己紹介、いいかな?」
何事もなかったかのように尚ちゃんが話し始めた。
「俺は水川尚武。液体を自在に操る能力を持ってる。知真とは付き合いたての恋人同士、だよね?」
「えっ?!」
尚ちゃん言ったーー!
「う、うん。…恋人」
頑張って頷いてみたけど、めちゃくちゃ恥ずかしいし、周りの目が気になって仕方ない。
「うわー、やだなぁこのあとに名乗るの」
尚ちゃんの隣に座っていた男性が声を上げた。
「僕は三木透。なんだか大変なことになっちゃってるけど、たまにはいいよね、参加者ってのも」
透さんは楽しそうに笑った。
「能力はなんですかー?」
「ん?まあなんでもいいじゃん。僕にもよくわかってないや、ははは」
透さんは、首から下げている大きめの石のネックレスを握りしめた。
「うーん…まあいいや!これで全員だね!じゃ、解散しよっか。わたしはもっかい出口探してみるよ。何かわかったら教えてね!」
まもりちゃんがそう言って、自己紹介大会を締めくくった。
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