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超能力編-2日目・朝(操士と会話)
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えらいもんを聞いてしまった…。
人が殺される瞬間なんて、そうそう出会うものじゃない。
しかも犯人わかんなかったし…。
結局昨夜はあまり寝ることができなくて、ぼーっとした頭で廊下を歩いている。
でも、毎晩人に能力を使うとしたら、今後こういう場面を目撃してしまうことがまたあるかもしれない。もっとエグい殺され方だったらと思うと、恐ろしくなってくる。それに、もし狐の人に能力を使ったら、自分が殺したことになってしまう…。
「あれー、知真くんだ。生きてたんだね」
突然呼びかけられて振り向くと、操士くんが後ろを歩いていた。
「ガチホモくんは殺されるかと思ってたなー。反撃することもできなさそうだしね!」
「ガッガチホモ…?!」
予想外に失礼なことを言われて固まっていると、操士くんは笑い転げた。
「あははは!その顔面白いね!このニックネーム、嫌だった?」
「い、嫌だよ…」
「そうなんだー?事実なのに」
「悪意しか感じない…」
「そんなことないよ!僕はただ、知真くんと仲良くなりたいなーと思ってぇ」
「へぇ…」
「うそうそ!面白がってるだけだよ!」
「………」
この人、好きじゃない。
「ねーねー知真くん。もう人狼が誰かわかってるんでしょ?テレパシー使えば一発だもんね」
操士くんは、教えてよ!と言いたそうなキラキラした顔で僕を見つめている。
「や…わからないんだ。僕の能力には制限がかけられてて、1回につき1人にしか能力が使えなくなってたから」
「なーんだ。でも、より楽しくなってきたかも。すぐに人狼がわかったら面白くないもんね!」
「おもしろ…?」
「面白いじゃん。能力を思いっきり使って人を殺せるなんて、ね?昨日はドキドキして眠れなかったんだ!どうやって殺そうかずっと考えてて」
「人を殺すのが、面白いの?」
「うーん、ただ殺すのはつまんないな。超能力を使える人同士の殺し合いっていう設定が、僕の心をくすぐるわけだよ」
「全然わからない…」
この人は…小さい頃、動物とか殺してたタイプの人なんだろうか。関わりたくないな…。
「うわー、嫌そうな顔!知真くん、テレパシーなんて能力必要ないくらい表情がわかりやすいね!にしても…能力の制限か。それって全員にあるのかな」
「え、操士くんにもあったの?」
「うん。サイコキネシスでこの建物を壊すことはできないんだって。そんなことして脱出するつもりなんて、全くないんだけどね」
「あっそう…」
「ねーねー知真くん!1人にしか能力を使えないなら、毎晩僕に使ってほしいな」
「え…どうして?」
僕がそう聞くと、操士くんはにまーっと笑った。
「僕が人を殺すところ、誰かに見ててほしいから」
「操士くん…さっきから殺す殺す言ってるけど、人狼なの?あんまりそんなこと言ってると、お昼の話し合いで処刑されちゃうんじゃない?」
少しイライラしてきたから、そんな意地悪なことを言ってしまった。
「残念なことに、僕は人狼じゃないんだよね。処刑されそうになったら、工士を身代わりにすればいいし。あいつは僕の身代わりになるために同じ顔で生まれてきたと思うんだよね」
「兄弟に対して何言って…」
「あ、工士だ。工士ーー!お前なんで死んでないのーー?」
操士くんは工士くんを見つけると僕を置いて走っていってしまった。
こんなに人が集まってると、1人くらいやばいやつがいてもおかしくないってことか…。
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