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超能力編ー2日目・夜
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まもりちゃんが帰ってから、すぐに夜が来てしまった。そろそろ、誰に能力を使うのか決めなくちゃ。
それにしても…解散した後、尚ちゃんと話ができなかった。
尚ちゃん、大丈夫かな。
いや…尚ちゃんと一緒にここから出るためにも、今は目の前のことに集中しないといけない。
人狼だったら困るな、と思うのは広衣さんだ。広衣さんはサイコメトリーを使うことができて、それは昼の話し合いのベースになっている。広衣さんが嘘をついたら、僕たちは間違った人物を人狼だと思って処刑することになってしまう。
それに広衣さんが人狼ではなかったとしても、狙われやすいのは確実だ。
今日は…広衣さんだな。
23時40分。鐘の音が聞こえ、僕は能力を広衣さんへ向けた。
『…困ったわ。早く会社に帰りたい。あともうちょっとで、解毒剤が完成するところだったのに』
そういえば、広衣さんは製薬会社に勤めているんだっけ。研究者なのかな?
『今ごろ研究室はどうなっているのかしら。わたしがいなくなっても、ちゃんと進められているのかしら。ああ、心配だわ。こんなところで遊んでる場合じゃないのよ。…いけない。イライラしちゃったわ。落ち着きましょう』
それから少しの間、心の声は聞こえなくなった。何かでストレスを解消しているんだろうか。
『…さてと。今夜は上手くいくかしら。帰れないのも嫌だけど、死ぬのはもっとごめんだわ。石像になるのも、ナイフで刺されるのも、嫌な最期よね。もしもあいつに狙われたら、厄介…』
広衣さんは、特定の誰かを警戒しているようだ。もしかして、人狼の目星がついているのかな。
『もうすぐ50分ね。もしもあいつが……だめだわ。考えないようにすればするほど、頭をよぎりそうになる。…そうだ。もういっそ、全てを捨てましょう。時間が過ぎるまで、オナニーしましょ』
ほえええ?!
『あの2人、いいと思ってたのよ。どっちが攻なのかしら。やっぱ尚武くんかな』
ひえええ?!
もも、もしかして広衣さん…。
『知真くんの能力は絶対使えるわよね。付き合いたての2人のラブラブセックス…うん。いいわ。どんなシチュエーションにしようかなあ』
やっぱりぃ!広衣さんが、僕と尚ちゃんで妄想してオナニーしようとしてる!
聞きたくない!聞きたくないのに耳に入ってしまうー!
23時50分。広衣さんはその時刻が来ていることにも気づかず、張り切って妄想していた。
『場所は高校の教室ね。人の気持ちが読み取れるのに、どこか鈍感な知真くん。知真くんは、体育の授業の準備のために、尚武くんの目の前で無防備に着替えを始めてしまう』
う…うん。広衣さんに僕は鈍感そうって思われてたのか。テレパシー使えるのに鈍感って、ただの馬鹿なんじゃ?
『尚武くんはその様子を見て、我慢できずに想像してしまうの。知真くんの、あられもない姿を。自分が知真くんを犯している光景を』
尚ちゃんはそんな想像しないぞ!!
尚ちゃんは清らかで、優しくて、純粋で、
『知真くんは心を読んで、その想像に気づいてしまうの。尚武くんがそんなことを考えるなんて思ってもいなかった知真くんは、初めて見る尚武くんの雄としての姿に、動揺してしまう』
い、いやいや。そんなこと考えない。本当に、尚ちゃんはそんなこと考えないってば。
『その様子を見て、尚武くんは知真くんに心を読まれたことに気づいてしまう。そして2人の視線が交差し、なんともいえない気まずい空気が流れる。これ以上、このことに踏み込んでいいんだろうか。俺のこと、気持ち悪いって思わないかな。…そう、尚武くんは考える』
尚ちゃんはエッチな想像なんてしない。しないけど…もししちゃったとしても、僕は気持ち悪いなんて思わない!
『だけどそう考えていることも、もちろん知真くんには伝わってる。知真くんは思わず尚武くんの手を取り、こう言うの。尚ちゃん、僕…何されても平気だよ?全部、好きにして…?』
言わない!
言わない!!!
僕はそんな恥ずかしいことは言わない!
『知真…ごめん。俺のこんな部分、知りたくなかったよね』
『う、ううん。僕嬉しいんだ。尚ちゃんのこと、また1つ知ることができた』
『そんなこと言われると、調子に乗っちゃいそうになるな』
『調子に乗っても…いいんだよ?』
『知真…キスしたい』
『うん。僕も……っ!んっ、あっ…ね、もっと…』
うわああ何してるんだ妄想上の僕!
日付けが変わるまで、広衣さんの妄想は僕の頭の中に流れこんできた。
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