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超能力編ー3日目・昼(死体発見)
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昨日と同じように大広間に集まると、ゲームマスターの姿が浮かび上がった。
「これで全員揃いました」
今日も誰かが襲われたんだろうか。
そう思って全員を見回すと…
透さんがいない。
「なんか怪しかった人が襲われちゃったねー。つまんないなあ」
操士くんが不謹慎なことをぼやいている。
でもたしかに…僕が人狼だったら透さんは襲わない。
怪しそうな人は残しておいたほうが、容疑者が増えて、自分が疑われる可能性が低くなるから。
「つまんないとか言っちゃだめだよ!透さんを殺した犯人を探さなきゃ!おーい!誰だーい!」
「うるさいな〜。名乗り出るわけないでしょ」
相変わらず元気なまもりちゃんに対し、夢さんがあくびをしながら冷めた目で突っ込んだ。
「とりあえず、透さんの部屋に行ってみる必要があるんじゃないかしら。犯人のヒントが絶対あるはずよ。…わたしが死体を触れば、死んだ場面も見られるはずだし」
広衣さんが冷静にそう言った。
広衣さんは大丈夫なんだろうか…人が死ぬ場面を目撃することになるのは。普通の人なら死体だって見たくないものなのに。
現に僕、部屋に行くのすら怖い。
「早く行こうぜ。ここでぐずぐずしてても仕方ない」
「そうそう!レッツゴー!」
「まもりちゃん、危ないから手をつないで行こっか」
「遠慮いたしまーす」
まもりちゃんと強矢さんがごちゃごちゃ話しながら広間を出て、残りの人もぞろぞろとついて行くことになった。
ところが、透さんの部屋には何もなかった。基本的な家具が置いてあるだけで、使った形跡もない。もちろん死体もない。
「うわー、本当にここがあの人の部屋なの?」
操士くんが面白がってる様子でそう言った。
「死体がないんじゃサイコメトリーもできないわ。一体どこに消えたのか…」
「…あ、あの、1つ思ったんだけど」
「何だよ工士。どうせ大したこと言えないんだから黙っとけばいいのにね!」
「うっ…ごめん…」
「もー、すぐそういうこと言うんだから!工士くん、操士くんのことなんて気にせずに、なんでも話して?」
工士くんは遠慮がちに話し始めた。
「透さんはここで殺されたとは限らないんじゃないかな。本当は透さんが人狼で、誰かを襲いに行って返り討ちにあった…とか」
「なるほどなるほどー!じゃあ他の人の部屋も調べてみる必要があるってことね!」
「それだと1つおかしいことがあるよ」
尚ちゃんが発言した。かっこいい。
「返り討ちにした人はどうして名乗り出ないのかな。自分は人狼じゃないんだから、隠す必要はないよね」
「うわぁ…!たしかにそうだね!さすが尚ちゃん!」
ぽーっと尚ちゃんを見ていたら、尚ちゃんは照れたように笑った。
こういうのカップルっぽーい!
「…えっと、いいか?」
隼人さんの声が割り込んできて、はっと現実に引き戻された。
「とにかく透さんの死体を探さなくちゃいけない。手分けしてそれぞれの部屋を見てみよう」
数人のグループにわかれて透さんの死体を探したけど、結局見つけることはできなかった。
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