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超能力編ー3日目・昼(話し合いと処刑)
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<話し合いスタート>
残り人数 10人
内藤知真(テレパシー)
水川尚武(水つかい)
二木操士(サイコキネシス)
二木工士(サイコキネシス)
相馬隼人(瞬間移動)
風見強矢(風つかい)
灯野まもり(パイロキネシス)
加古広衣(サイコメトリー)
蛭間夢(催眠術)
若草綾乃(年齢操作)
×石動愛子(石化)
×日吉覚(幻覚)
×三木透(?)
まもり「結局見つからなかったねー、死体」
夢「探すの疲れたわ。ふわあもう寝たい」
知真「死体がないのに、どうやって話し合えばいいのかな…」
死因がわかれば誰の能力で殺されたのか、ヒントになる。全く手ががりがなければ困ってしまう。
尚武「ここは逆に、死体がない理由を考えてみたらどうかな?」
知真「死体がない理由…?」
広衣「そうね。外には出られないのにどこにも死体がないというのはおかしな話。誰かが隠したか、もしくは死体が残らない殺し方だったのかも」
まもり「あっ、それなら!わたしならできるかも!」
工士「…えっ?」
まもり「全部燃やしちゃえばいいもん!証拠は残らないよ!」
操士「そっかー!自白ありがとう!さあまりもを処刑しよう!」
まもり「……え!違う違う!わたしじゃないよ!」
綾乃「あらあら。どうして自分が不利になるような発言をしたの?」
まもり「えーっと…思いついたことは全部口に出しちゃう性格で…えへへ」
綾乃「まあ可愛い」
工士「まもりちゃんには無理だと思うよ」
工士くんが小さい声で言った。
工士「全部燃やしたとしても灰が残るはずだから。灰なんてどこにもなかったよね」
まもり「そっかー!そうだよね!つまりわたしじゃない!どうだ!」
まもりちゃん、馬鹿なのかなぁ…。
強矢「俺はこいつらが怪しいと思うけど」
風見さんは二木兄弟を指差した。
操士「へー?どうして?」
強矢「お前らは手を触れずに自在に物が動かせるんだろ?俺らが死体を探している間、死体を常に移動させて、隠してたんじゃないか?つまり死体は今もまだどこかに」
操士「あはは!面白ーい!」
操士くんは他人事みたいに笑った。
操士「僕らがそんな無意味なことをしてると思ったの?風見さんは素晴らしい脳みそしてるよね!」
強矢「はああ?」
工士「あ、あの…超能力は昼間は一度しか使えないので、ずっと動かしておくなんて無理ですよ」
強矢「…あっそ」
風見さんはすっかりむくれてしまった。
綾乃「うふふ。思いついたんだけど、隼人くんが怪しいんじゃない?」
隼人「…え、俺?」
綾乃「瞬間移動ができるんでしょう?それなら死体を隠すのなんて簡単だわ」
隼人「い、いや、俺はそんなことしてません。だいたい、何のために?そんな隠し方をしたら、自分が犯人だと言ってるようなものじゃないですか」
まもり「ぴかーん!思いつきました!」
まもりちゃんが嬉しそうに手を挙げた。
まもり「隼人さんは、みんながグロい死体を見なくてすむように、親切心から死体を隠してくれたのです!」
操士「へー、そうなんだ!隼人さんありがとう!」
隼人「おい!ふざけるんじゃない!」
広衣「こういうのはどうかしら」
広衣さんは騒いでいる3人をスルーした。
広衣「隼人くんが人狼だと仮定して考えてみましょう。隼人くんが人を殺すためには、どうやって能力を使う必要があるかしら」
知真「瞬間移動じゃ、人は殺せないような気が…」
広衣「そんなことないわ。隼人くんが透さんを連れて、確実に死ぬような場所に瞬間移動すればいいのよ。そして自分はすぐこの部屋に戻る」
知真「あ…なるほど。例えば空中に移動して、自分はすぐに戻れば、透さんは高所から落下して死ぬことになる…」
夢「それは変」
夢さんが珍しく発言した。
夢「瞬間移動が使えるのに、律儀にこの建物に戻ってくるやつがいるわけない」
知真「…たしかに。隼人さん、どうして戻ってきたんですか?」
隼人「俺は使ってないんだけど」
まもり「あー!すごくいいこと思いついたよ!」
まもりちゃんはいっそう元気な声で叫んだ。
まもり「みんなで隼人さんにつかまって、外に移動すればいいんだよ!うわぁわたし頭いいね!」
工士「まもりちゃん、それいいと思うよ」
まもり「そうかな?そうかな!」
隼人「…残念だけどそれはできない。俺の能力には制限がかかっているんだ」
まもり「えっ…どんな?」
隼人「この建物の外に出ることはできない、っていう制限だ。だから脱出はできないし、今の推理は全部成り立たない」
綾乃「本当かしら?できないことの証明はできないわよ」
まもり「あ、でもでもー、わたしもこの建物は燃やせないっていう制限がかかってるんだよね。外に出られる可能性のある能力は、全部制限されてるんじゃないかなー」
綾乃「人狼だったら関係ないわ。洗脳されているんだから、そもそも脱出しようとするはずがない。制限もかかってないんじゃない?」
隼人「いやだから俺は人狼じゃなくて…」
夢「めんどくさいなー。もうこの人が犯人でいいんじゃない?」
隼人「ちょおい!」
広衣「じゃあ隼人くんは、誰が犯人だと思う?」
隼人「えっ…誰って…」
広衣「透さんを殺して死体を消してしまった犯人は誰かしら?あなたのことを疑っているわけじゃないけど、ほかに候補がいないなら考えようがないわ」
隼人「そ、そんなこと言われても…」
これは。
これはもしや。
僕の出番ではなかろうか。
今こそ隼人さんの心を読み、人狼かどうか確かめるんだ!
隼人『やばい。無理。何にも思いつかない。死にたくない死にたくない死にたくない死にたく』
知真「ひっ」
尚武「知真!どうしたの?」
知真「い、今、隼人さんに能力を使ってみたんだけど…」
隼人「え!そ、それで?」
隼人『死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない』
知真「あ、えっと…動揺しすぎてて、犯人かどうかなんてよくわからないです…」
隼人「ま、待って!今、心を落ち着ける!俺の潔白を心で感じてほしい!」
隼人『しずまれ!しずまれ!何も考えないぞ。無!無!無ー!』
知真「いやあ…よくわかんないです…」
操士「もーさー、隼人さんでいいんじゃない?ヒントが少なすぎて、考えようがないしぃ」
操士くんが投げやりに言った。
操士「そんなことより僕は早く処刑シーンが見たいなあ!隼人さん、どんな風に死ぬのかな?わくわく!」
尚武「俺は反対だよ」
尚ちゃん、どうしたんだろう。珍しく強い口調だ。
尚武「ここで隼人さんが処刑されたら、知真はまた人が死ぬ時の心の声を聞くことになる。そんなの許さない」
知真「尚ちゃん…そんなにも僕のこと…」
操士「じゃあ、こうしたらいいんじゃない?」
知真「えっ…?」
操士くんが手を挙げると、僕の体が空中に持ち上がった。
知真「え、ちょ、何これ!お、おろして!」
操士「あわわ、ごめんね!すぐにおろしてあげる!」
知真「い、いやああ!」
床が恐ろしいスピードで眼前に迫ってきて、目の前が真っ暗になった。
<話し合い終了>
『だめだ…体が勝手に…』
脳内に響く隼人さんの声で目を覚ました。
ぼんやりと目を開けると、昨日日吉さんが処刑されたステージの上に、隼人さんが立っていた。
このままじゃ隼人さんが死んじゃう。
助けたいのに、体が痛くて動かせない。
『死にたくない。俺はまだ、何も成し遂げてない。論文…論文も書けてないのに。物理の世界の新発見になるはずなのに』
思考が、ぶわっと頭に流れてくる。
『こわい。どうやってしぬの?いたいのは、いたいのはむり。こわい。たすけて。しにたくないしにた』
思考が途切れると同時に、ステージ上の隼人さんの首だけが、さっとなくなった。
死んでしまった…?
次の瞬間、いきなり目の前に隼人さんの生首が現れ、ごろっと転がって目が合った。
「うっ、うわあああ!」
首からドクドクと血が流れている。
「知真!大丈夫?!」
「あ、あああ、尚ちゃん…」
隼人さんの目が僕を睨んでる。僕のせいで隼人さんは処刑されてしまったんだ。僕のせいで…
尚ちゃんは僕の体を無理矢理抱えると、隼人さんから遠ざけるように移動した。
後のことは、よく覚えていない。
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