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超能力編ー6日目・昼(話し合いと処刑)
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<話し合いスタート>
残り人数 5人
内藤知真(テレパシー)
水川尚武(なし)
二木操士(サイコキネシス)
加古広衣(サイコメトリー)
三木透(タイムスリップ)
×石動愛子(石化)
×日吉覚(幻覚)
×相馬隼人(瞬間移動)
×若草綾乃(年齢操作)
×蛭間夢(催眠術)
×風見強矢(植物つかい)
×灯野まもり(パイロキネシス)
×二木工士(サイコキネシス)
人狼が勝つためには、人狼と村人の人数を同じにする必要がある。
…つまり。
僕は僕以外の4人の顔を見回した。
もしこの中に人狼が2人いれば、この話し合いで追放できなかった時点で、人狼の勝利となる。
そして村人は全員処刑される。
1人しかいなかったとしても、追放できなければまた一晩越すことになる。そうなると、次に襲われるのは僕の可能性が高い。そしてもし襲われたら、僕は勝てる気がしない。
とにかく絶対、追放しなきゃいけないということだ。
この中で確実に人狼じゃないと除外できるのは操士くんだけ。残りの3人、透さんと広衣さんと尚ちゃんの中に人狼がいるということだ。
い、いや、尚ちゃんは除外できる…んだけど…。
尚武「知真、結局能力は使ったの?」
知真「……んっ?!」
1人であれこれ考えている間に、話し合いは始まっていたらしい。
知真「あー、えっと…使ったよ」
尚武「どうだった?透さんに使ったの?」
知真「えっ…と」
透「えー、俺を疑ってるわけ?人狼に襲われた人は人狼じゃない、でしょ?」
広衣「たしかにそうだけど、あなたが人狼に襲われたという証拠はないわ」
透「俺がいなくなった日に犠牲者は出てないじゃん。俺が綾乃さんに襲われて、タイムスリップで回避したからさ」
広衣「犠牲者が出なかったのは、風見くんが守ってた部屋を人狼が選んだからかもしれないわ。そして偶然その日にあなたは逃げだしたのよ」
透「逃げたって言い方はひどくない?まあいいや。僕の疑いは知真くんが晴らしてくれるよね?」
知真「あっ…ごめんなさい。透さんには能力使わなかったから…」
尚武「そうなの?じゃあ誰に?」
思わず言葉が詰まってしまった。
尚ちゃんに使ったなんて、知られたくない。こんなことなら、昨日は使ってないって言えばよかった…。
知真「…尚ちゃん、に」
尚武「え…俺?」
知真「ご、ごめん!尚ちゃんのこと、信じてないわけじゃないんだよ。でもどうしても不安になって、確かめたくなっちゃって…」
尚武「そんな、謝らなくていいのに。不安にさせちゃってごめんね。…でも、意味なかったよね」
知真「意味??」
尚武「俺、昨日疲れててすぐ寝ちゃったから。何も聞こえなかったでしょ」
知真「あ…うん…。そっか寝てたんだ。本当に何も聞こえてこなかったから、心配した」
尚武「あはは、ごめんね」
操士「尚武くん、すごいな〜」
操士くんがカットインしてきた。
操士「あの状況でぐっすり眠れるなんて、よっぽど襲われない自信があったんだね!どうしてかなー」
尚武「そんなことないよ。疲れてたから、つい寝ちゃっただけ」
知真「そうだよ!昨日尚ちゃん、疲れてたもんね」
操士「ふーん。じゃあ知真くんのことは、心配じゃなかったの?恋人が殺されるかもしれないのに、よくぐうぐう寝ていられたね!」
尚武「睡眠は感情でするものじゃないしね」
操士「なるほど…?」
知真「とにかく!僕も違う、尚ちゃんも違う、操士くんも違うってことは、広衣さんか透さんかのどっちかが人狼なんでしょ?そっちを考えようよ」
広衣「わたしは違うわ。人を殺せるような能力じゃないもの」
透「僕も違うよ!何回も言ってるけど、人狼に襲われたんだからー」
操士「どっちでもいいじゃん。1人を処刑してもう1人を俺が殺せばいいでしょ?」
知真「人殺しはだめだよ。…あ、そうだ!僕がどっちかの心を読めばいいんだよね?そしたら嘘ついてる人がわかるし」
広衣「別に使ってもいいけど…それ、宣言してから使ったらあんまり意味ないと思うわ。心を読まれてるってわかってるのに『わたしがやりました』なんて考える人いないわよね」
知真「そ、そっか…なんかもう、全然わかんないな…」
透「ふつうに考えて、怪しいのは広衣さんか尚武くんでしょ。僕と操士くんは人狼に襲われたことがあって、知真くんは占い師ポジションだし」
知真「占い師?」
透「そしたら広衣さんも村人側の能力持ってるし、1番怪しいのは尚武くんだね」
知真「僕、占いできないですよ。そもそもそういうの信じてないし」
透「…知真くんって、人狼ゲーム全然知らないんだっけ?」
知真「え、いやぁ…聞いたことはあるけど、あんまり詳しくは…」
透「ふーん。まあいいや。とにかくここは、尚武くんを処刑するのが1番確実なわけ!」
広衣「わたしはそれで構わないわ。自分が処刑されるのは嫌だもの。尚武くんには悪いけど」
操士「僕もそれでいいよ!知真くんの悲しむ顔、見てみたいし」
透「これで3対2だね、知真くん?」
知真「そ、そんな…でも、尚ちゃんは人狼じゃないのに。そうだよね?」
すがるように尚ちゃんを見ると、尚ちゃんは僕の手を取った。
尚武「知真のことは絶対、俺が守るよ」
知真「そ、そうじゃなくて、尚ちゃんこのままだと処刑されちゃうんだよ?人狼じゃないんだよね?」
尚武「逆に言えば、知真を守れるなら一旦死んでも構わない。好きに投票してくれ」
知真「一旦?尚ちゃん、人間は1回しか死ねないんだよ?僕を守りたいなら、生きててよ!ねえ、人狼じゃないんだよね?!」
操士「諦めなよ知真くん!知真くんを勝たせるために、尚ちゃんは死んでくれるんだよ。ほら、人狼だから」
知真「ま、待ってよ…」
投票の結果尚ちゃんが処刑されることになってしまった。
<話し合い終了>
尚ちゃんがすたすたとステージに上がっていくのを、僕は止めることができない。
「超能力が使えないのに、どうやって死ぬんだろうね?」
尚ちゃんはいつものように笑って首を傾げた。
「じゃあ…死なないんじゃないかな」
「ううん。俺はここで死ななきゃならない。そういうルールだから」
「ルールって…」
「うん。自分でやろう」
「えっ…?」
「操士くん、包丁持ってない?」
「持ってるよ!ほーい」
操士くんは尚ちゃんに向かって包丁を投げ、尚ちゃんは見事キャッチした。
「じゃあね、知真」
「えっ、ちょっと、ちょっと待って尚ちゃん!」
グサッ
尚ちゃんは自分の腹に包丁を刺し、その場に崩れおちた。
「尚ちゃん!!」
「えー、なぜにお腹?すぐ死ねる場所にすればいいのに」
操士くんがぽつりと呟いた。
「あはは…ちょっとでも長く知真の声が聞きたくて…」
「尚ちゃん…」
尚ちゃんのお腹から、血がどばどばと流れている。見てられなくて、泣きながらうつむく。
「はーい皆さん。こちらにご注目〜」
こんな時にそぐわない能天気な声で、透さんが呼びかけた。
「尚武くんが死ぬ前にね、こちらの映像をご覧いただきたい」
「映像…?」
透さんはスマホを取り出した。
「ちょっと気になることがあってさー、話し合いが始まる前、タイムスリップしてたのよ。時間は昨日の夜」
「は…?」
操士くんがぽかんと口を開けた。
「そこで僕、動画撮ってきましたー!いつ流そうかなーと思ってたんだけど、やっぱこのタイミングがベストだよね!」
全員しんとしている。
透さんは一体…何を言っているんだ?
「それでは次のページから、昨日の夜にタイムスリップいたしまーす」
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