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占い師編R(4)ー2日目・昼
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次の日。遅刻ギリギリまで睡眠を満喫してしまった俺は、急いでコテージを出た。集合場所まで早く行けそうな裏道を走っていたら、何かにつまずいて転んでしまった。
「いてて…ん?人間?」
振り向いて確認すると、それは確かに人間だった。まさか死体?と一瞬ぞっとしたが、ぴくぴく動いている。
「だ、大丈夫ですか…?」
おそるおそる体に触れてみると、その人はビクッとして俺を見た。
「あひっ!だ、だれぇ…?」
この人は…佐倉だ。昨日自己紹介しあっていたときには寝てたから、ほぼ初対面だけど。
佐倉は明らかに様子がおかしい。目の焦点が合ってなくて、口の端からよだれがたれている。それに…下、はいてない。
「えっと…俺は市川です。ゲームの参加者です。あの…佐倉さんですよね?どうしました?」
「ふっ…ふへっ…おれ、犯されちゃったの。とぉっても、気持ちよかったよ…!」
「なっ…」
佐倉は体をぎゅっと抱えて転がった。
「あぁんっもう忘れられない。お尻でイクのがこんなに気持ちいいなんて知らなかったよぉ」
こ、これは…大変なことになってるな…。
犯されたらこんな風になってしまうのか?こんな、快感でおかしくなった卑猥でだらしない姿に…。
いつのまにか、佐倉の右手が俺の足首をつかんでいた。
「ねぇ…あんたでもいい。お願い。俺のこと犯してよ。お尻が疼いて、我慢できない…!」
「むっ…無理だ!こっちに来ないで!」
「だって、気持ちよかったんだもん。こんな快感知らずに生きてきたなんて……もう、耐えられない!」
佐倉は熱っぽい目で俺を見上げている。これ以上見ていられなくて、佐倉を振り切って走って逃げた。
普通犯されただけであんな風になるか…?大町、一体どんなテクニックを持ってるんだろう。
「遅いよ市川くん!これでやっと全員そろいました!」
集合場所に着くと、透にどやされた。
「全員?佐倉がおらんけど」
南がきょろきょろと辺りを見回した。
「佐倉は…昨日襲われたみたいだ。さっき倒れているのを見た」
仕方なく俺がそう言うと、ざわめきが広がった。
大町の様子を伺ってみたが、みんなと一緒に驚いたふりをしている。
「はい!話し合いはじめー!」
透はそんな俺たちにおかまいなしにそう言って話し合いをスタートさせた。
〈話し合いスタート〉
残り人数7人
市川
大町
杜
牧原
南
白井
津田
×佐倉
津田「市川くん…佐倉くんって、ほ、ほんとに…その…」
市川「襲われてた」
津田「ひぃ!怖い!」
津田は大きな目をうるうるさせている。めちゃくちゃビビってるじゃないか。
大町「…とりあえず、今は話し合いを進めなきゃならんだろ。怖がるのは後だ」
大町が犯人なのになんかいいことを言っている。肝の座ったやつ。
杜「えっとじゃあ…最初に、いいかな?俺、占い師になっててさ、白井を占ったら、ゲイって出てきたんだ」
市川「えっ」
白井「えー?僕ゲイじゃないよ」
杜が嘘をついている。大町がゲイだから、杜は腐男子ってところだろうか。
市川「待った待った!杜は占い師じゃない。占い師は俺だ」
杜「へえ…?」
大町「市川は誰を占ったんだ?」
市川「俺は大町を占って…」
そう言いかけて大町を見たら、目が合ってしまった。光の少ない、鋭い目をしている。この目で佐倉を見ながら、あんな風になるまで犯した…。
牧原「市川ー?どうした?」
市川「あっ、いや…大町を占ったんだけど…ゲイではなかった」
大町「…え?」
あれっ?
俺…何言ってるんだ。
大町はぽかんとして俺と杜を見比べている。
そりゃそうだ。ゲイの味方は腐男子1人しかいないはずなのに、2人とも自分に有利な発言をしているんだから。
そんなことを知るよしもない杜は、落ち着き払って俺を攻撃してきた。
杜「市川は嘘をついてるな。俺がゲイを早々に当てたから、焦って名乗り出たんじゃないか?さっき様子も変だったし」
南「たしかになぁ。なんか迷ってるみたいで変だった」
市川「いや、それは…まさか杜が嘘をつくなんて思ってなかったから、動揺してたんだ」
牧原「あれっでもー、杜が本当に占い師で白井がゲイだとしたら、市川は何なの?2人もゲイがいたらおかしくね?」
杜「腐男子だよ。ゲイをかばうために嘘をついてる」
牧原「あーね!…んじゃ、もうやることは1つしかなくね?」
津田「えっ…そうなの?」
牧原「白井を追放すればいいっしょ。杜が占い師ならここでゲーム終われるし、市川が占い師なら、杜が占い師じゃないってことが判明するし」
白井「えーーやだ」
南「お?だだをこねるか?」
白井「だって精子2リットルだよ?そんなに出ないもん」
南「だよなぁ。俺ら牛じゃないもんな」
市川「牛から出てるのは精子じゃなくて乳だろ…」
牧原「まあまあ。白井には悪いけど、ここは多数決っしょ!白井追放に賛成の人、手ぇあげてー」
〈話し合い終了〉
結局、白井が追放されることになった。
これは紛れもなく…俺のせいだ。
大町がゲイだとちゃんと伝えて支持が得られれば、だれも精子2リットルの刑を受けずにゲームを終えることができた。
なのに…なのに俺は…
「なあ、お前…」
話し合いが終わった後、大町が俺にためらいがちに声をかけてきた。
「何?」
「………なんでもない」
大町はしばらく迷った様子だったが、部屋の隅でこちらを見ている透に気づくと、結局何も言わずに去ってしまった。
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