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占い師編R(6)ー3日目・昼
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結局、あまり眠れずに朝を迎えることになってしまった。やることもないので少し早めに部屋を出ることにした。
「あーだから今夜だけはー君を抱いていたいー」
暇なので歌いながら歩いていたら、道の脇の茂みがざわっと揺れた。
昨日のことを思い出し、不安と緊張と期待を込めて茂みを覗き込もうとしたら、半裸の男性が突然現れた。
「ぎゃっ!」
「…あー……なんでこんな時間にいるんだよ…」
びっくりして悲鳴を上げた後、よく見たら立っていたのは大町だった。大町はめんどくさそうな表情で頭をかいた。
「…見なかったことにしてくれ。透にバレると面倒だ」
「え、ああ…」
これは…これはつまり……
部屋に戻ろうとする大町の手を、思わずつかんでいた。
「…何?」
「大町は、青姦派なのか?」
「……は?」
「い、いや、昨日も外で、なんというかものすごい状態になっている佐倉を見かけたから」
この状況で聞く話か?と思わなくもないが、なんかもうそのことで頭がいっぱいだ。
「聞いてどうするんだ?お前、腐男子なんだよな?お前のことは襲わないから安心しろ」
「ち、違う!」
振り払われそうになった手を、強く握った。
「俺は占い師だ。大町がゲイであることは、昨日の占いでもうわかっている。本物の腐男子は、杜だ」
「は?」
大町は困惑した表情で俺を見ている。
「じゃあ、お前の目的は何だ?どうして昨日俺をかばった?」
「…とにかく、俺はいつでも大町を告発して追放することができるからな。その辺をよく心に刻んでおくんだぞ!」
「お前ゲームのルール把握してる?」
「もちろん!…あれっ、誰か来る」
後ろから話し声が聞こえてきた。そちらに気を取られているうちに、大町の姿は消えていた。
集合場所の周りを探検しながら待っていると、続々と人が集まってきて、最後に大町が来た。服はちゃんと着ている。
「それじゃ今日も話し合い、始めてくださーい」
透のかけ声で、話し合いがスタートした。
〈話し合いスタート〉
残り人数6人
市川
大町
杜
牧原
南
津田
×佐倉
×白井
牧原「あれー?今日は誰も減ってないじゃん!」
津田「こ、これで終わりってこと…?」
南「いや、あれだろ。ボディーガード。そいつがゲイに狙われたやつを守ってたから、襲えなかったってことだろう」
…まじか。朝見た大町は襲撃に失敗した後だったのか。どうりで色気が控えめだと思った。
大町「…で、とりあえず杜をどうするかだな」
杜「えー、俺?」
牧原「杜ちゃん何かやらかしたっけ?」
南「あはは、忘れたのか?昨日杜が白井のことゲイだと言ってただろ。だから追放したのに、ゲームはまだ続いてる」
牧原「あーね!杜ちゃん嘘ついたのね!ゲイなの?」
杜「俺がゲイなわけないじゃん。昨日は初めてだったから、占いするときミスしちゃったみたい。でも今日はちゃんとやってきたよ」
杜はにっこり笑って俺を指さした。
杜「市川を占ったら、ゲイだった」
市川「…え、俺?」
杜「嘘をついてたのは市川の方だよ。市川を追放しなきゃ、このゲームは終わらない」
市川「そ…それは、さすがに無理が…」
津田「い、市川は…誰を占ったの?」
市川「え、あー、えっと…」
撤回するなら今しかない。大町がゲイだったって言えばいい。でも…
大町「どうして黙ってる?」
市川「へっ?!」
大町の声に驚いて周りを見ると、視線が俺に集まっていた。
大町「杜の言う通り、市川がゲイなんじゃないか?」
市川「え…?」
大町「怪しいだろ。占い結果を尋ねただけで、こんなに迷うなんて」
市川「それは…だってお前が…」
大町…どうしてだ?どうして俺を追い出そうとしているんだ?!
俺を追い出したらだめじゃないか。だって…だって俺は…
市川「…俺は、牧原を占った。ゲイではなかった。嘘をついている杜がゲイなんじゃないか?」
俺は、大町に襲われたいんだ!自分が追放されるわけにも、大町が追放されるわけにもいかない!
とりあえず、邪魔な杜をここで追放しておこう。もしも杜と大町が手を組んだら、俺が話し合いで追放される可能性があるし。
杜が腐男子だとバラすわけにはいかない。
牧原「お!俺を占ったんだ〜大正解!」
市川「ああ。昨日は占いをミスしたなんて、いかにも稚拙な言い訳だよ」
牧原「たしかにー!ミスとか意味わかんないっしょ!」
杜「じゃあ、さっき答えるのに時間がかかったのは何で?何か嘘をついたんじゃないの?」
市川「いきなりゲイだなんて言われて、驚いただけ。誤解させてごめんな、大町」
大町「ん?ああ…」
津田「じゃ、じゃあ…杜を追放すればいいのかな?」
南「やーでも、本当に杜がゲイだったら、こんな大胆な嘘つくかね?今回はゲイが1人しかいないのに」
牧原「んん?どゆこと?」
南「杜が腐男子の可能性もあるだろ?」
市川「そうかもしれないけど、だとしても、ここで追放しないのは危険だよ。ゲイかもしれないんだし」
南「あー、そうかねえ」
杜「やだな、俺占い師なのに。後で全員精液2リットルの刑になっても知らないよ?」
津田「ひいぃ!恐ろしい…」
牧原「もーいいじゃん!投票移っちゃお!」
〈話し合い終了〉
結局、杜が追放されることになった。
どこか余裕の表情で運ばれていく杜。
あいつもしかして、精液が大量に出せる体質なのかな。
ぞろぞろと解散する中、俺は後ろからすっと大町に近づき、肘の上のぷにっとした部分をつかんだ。
「おーまちっ!」
「うわっ。出たお前…」
大町はめんどくさそうに振り返った。気だるい感じがなんだかきゅんとする。
「わかった?俺は本物の占い師で、大町をいつでと追放できるんだよ」
「はあ…」
「大町は今、ピンチなんだよ!俺がいたらマズいんだよ!」
「お前本当…人狼ゲーム真面目にやる気ないよな。目的は何?俺を脅して金でも欲しいのか?言っとくけど全然持ってないぞ」
「金なんていらないよ!ただね、俺を放っておいたら大変なことになるって、教えてあげてるんだ」
「そりゃどうも…」
大町は腕を振り払うと、さっさと自分の部屋へ帰っていった。
これだけ言えばわかってくれたよな。俺を襲わないと、大町は勝てないってこと。
さて、今晩が楽しみだ。
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