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人狼編⑼
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4日目・昼
今朝は爽快に目覚めた。尻の痛みも引いている。
俺はスキップしながら集合場所に向かおうとしたが、怪しすぎるのでやめた。
早めに集合場所に着くと、そこにはミナトがいた。
「あ、シン…無事だったんだな」
「大丈夫だ。ミナトこそ」
「運がよかったよ」
運がいいというか、特にミナトを襲う理由がないのだ。
「今日は誰も犠牲者がいないといいな…」
ミナトがぽつりと呟く。
「そうだな。もうかなり人数が絞られてきてる。ボディーガードには頑張って欲しいよな」
「まったくだよ…」
ミナトはなんだか疲れているように見える。あまり寝れていないのだろうか。襲われるのが不安で寝つけなくなっているなら、まあまあ申し訳ないな。
その後、人がどんどん集まってきた。…もちろん、コタロウ以外だ。
「コタロウさんは狼に食べられてしまいました」
いつものように鴨が告げる。
この子もよく親のわがままに何日も付き合っていられるものだな…。
「話し合いを始めてください」
<話し合いスタート>
残り人数 6人
シン
ユキト
ケイゴ
ミズキ
ミナト
ユウスケ
×ナオキ
×ヤス
×エドガー
×ユタカ
×コタロウ
ミナト「昨日はコタロウか…ずいぶん減っちゃったな」
シン「そうだな。でもあと6人で、ゲイは1人だけなんだから、いけるんじゃないかな」
いけないと思うけど。
腐女子も残ってると仮定すると、残りノンケ4人、ゲイ1人、腐女子1人。
今日の昼、ノンケが1人追放されるとする。そうなると、夜襲われるのが1人。明日の朝にはノンケ2人、ゲイ1人、腐女子も1人になってるから、明日の昼にゲイを追い出しても腐女子の勝ちになるし、腐女子を追い出しても夜にノンケ1人が襲われてしまい、次の日にはノンケ1人、ゲイ1人となってゲイの勝ちだ。もちろん、ボディーガードの活躍やゲイが腐女子を襲うといったことが起きれば変わってくるけど。
そういった要素を抜きにすると、ノンケが勝つためにはこの昼に腐女子を追い出し、夜に1人襲われて、明日、ノンケ3人、ゲイ1人という状態にして、そこでゲイを追い出さなければならない。
つまり、なかなか切羽詰まった状況なわけだ。
まあでも、わざわざそんなことを教える必要もないだろう。
ひとまず、俺が避けるべきなのは自分が追放されることだ。
あとは腐女子を特定できれば…
ケイゴ「昨日の占いの結果だけど、シンがノンケだった」
…え?
思わず声を上げそうになった。
俺は考えるのを中断し、ケイゴを見た。
俺がノンケ??
ミナト「そうかー。そろそろもう1人のゲイがわかってもいいと思うけど」
ケイゴ「なかなか当たらないもんだな!仕方ない、俺は宝くじも当てたことがないからな。でもなぜか買っちゃう。だからお金に困る!」
ミズキ「もうやだぁ。このままずっとゲームが終わらないまま家に帰れなくなっちゃうんだ…家に帰りたい…帰って布団にくるまりたい…」
ユキト「そんなに帰りたいなら、今日はミズキを追放するよ」
ミズキ「それもいやだよぅ。きっと追放されたら命まで奪われるんだ…」
話が逸れてきたすきに、ケイゴの発言について考える。
ケイゴが占い師だったとしたら、俺を占ってノンケと言うはずがない。今ここで俺を泳がせても何もいいことはないだろう。
つまり、ケイゴは偽物だ。
そう考えると、ケイゴの役職は自ずと明らかになる。腐男子だ。占い師を騙って得をする人間は、ゲイと腐男子くらいだからだ。
ヤスをゲイと言ったのは、適当に名指しした相手がたまたま本物のゲイだったというところだろうか。
すると本物の占い師は、ケイゴやヤスが占い師を騙るよりも前にいなくなっていた人物。
…ナオキだ。
俺はペラペラしゃべるケイゴをにらむ。
腐男子のくせに真っ先にゲイを追放するとは…。
でも、今日の占いはとても良い。ケイゴは誰からも本物の占い師だと信じられている。そのケイゴからノンケと占われた俺は、もう追放される可能性はほとんどない。
腐女子さえなんとかできれば、勝ちは決まったようなものだ。
ミナト「昨日シンがグレーゾーンの人の話をしてたよな?あと誰が残ってるんだ?」
シン「俺がノンケで確定したから、あとはミナトとユウスケとユキトかな」
腐女子である可能性が高いのは誰だろう?
腐女子は、投票か占いによって追放される。占い師は最初からいなかったから、今残っている人か、これまで投票によって追放された人の中にいるはずだ。
投票によって追放されたのは、ヤスとユタカの2人。ヤスはゲイだから当然除外される。また、ユタカが腐女子だったとすればもう勝ちは確定したようなものだけど、ここは用心して、ユタカはノンケだったとして考えよう。
腐女子の候補は、ミナト、ユウスケ、ユキト、ミズキだ。
手がかり…ないよなあ。
ケイゴ「その3人の中から誰かを追放するってことだね!誰にしようね。3択なら勘で当たるんじゃない?」
当たらない。絶対当たらない。
シン「じゃあ、3人にインタビューしてみよう」
ミズキ「インタビュー…?」
シン「そう。誰が怪しいと思うかを理由付きで言ってもらうんだ。それを聞いたら、何かわかるかもしれないし」
ケイゴ「面白そうだ!俺にもインタビューしてくれてもいいんだぞ」
シン「じゃあまずミナトから」
面倒なケイゴはスルーだ。
ミナト「えーと、怪しい人か…。この場にノンケチームじゃない人は2人いるんだよな?ゲイと、腐女子。で、俺以外にグレーゾーンは2人しかいないから、ユキトとユウスケのどっちかがゲイでどっちかが腐女子ってことだ」
シン「ああ…確かにそうなるな、ミナト目線では」
ミナト「どっちかがどっちかと考えると…ユウスケが腐女子でユキトがゲイじゃないかなあ」
ユウスケ「女子じゃないよ。待ってて、今からパンツ脱ぐから」
鴨「だめです。不正による失格となります」
ユキト「なんで俺がゲイなんだ」
ミナト「うーん、ユキトのが大きいから。でも腐女子がいるうちにゲイを追放しちゃだめだから、ユウスケに投票しなきゃね」
まさかのメタ推理…。
シン「じゃあ、ユキトは誰が怪しいと思う?」
ユキト「ミナトだ」
ミナト「え」
ユキト「ミズキとも俺とも名前が似てるだろ?ややこしいから減らしとこうぜ」
ミナト「そんな理由で…!」
シン「じゃあ、ユウスケは?」
ユウスケ「わかんないなあ。それよりおなかすいた」
シン「お、おう」
腐女子が誰なのか、手がかりを得られないかと思ったけど、さっぱりだったな…。
シン「ちなみにミズキはどう思う?」
ミズキ「え!ぼ、僕?僕以外みんな黒幕なんじゃないかな…」
こいつずっとこの調子だな。
ケイゴ「俺はな、俺はな」
ケイゴが勝手に話すのを聞き流しながら考える。
正直、誰が腐女子なのか全く見当がつかない。上手く隠れてるってことか。占い師もいないし、かなり有利だよな。
まあ、今を逃してもまだチャンスはあるし…ここは諦めるか。
シン「なあみんな、もう投票に移らないか?」
ミナト「え!まだ誰にするか一致してないけど…」
シン「話し合っても埒があかない。ここは多数決で決めよう」
ユキト「だな。めんどくさいし、さっさと投票だ」
ミズキ「僕もそれでいいと思う。全員敵に見えてよくわかんないや…」
ケイゴ「鴨くん!よろしくーっ!」
<結果>
ユウスケ 3票(シン、ミナト、ミズキ)
ミナト 2票(ユキト、ユウスケ)
ユキト 1票(ケイゴ)
「あ、僕かあ。やっぱり脱げばよかったなあ」
ユウスケはどこかふわふわした足取りで船の方へと去っていった。
「まだ終わらないってことは、腐女子を追放できたって…ことだよな」
ミナトがつぶやく。
「そうだな。あとはゲイを見つけるだけだ!」
俺は元気よくそう言って、コテージへと戻ることにした。
残念ながらミナト達がゲイを追放することはできない。
そして、ユウスケが腐女子なのかも、まだわからない。
ただこれだけは言える。
最後に勝つのは、俺とヤスだ。
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