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ワンナイト人狼編(1)
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島から帰ってきてから、数週間が経った。それなのに私は、昨日のことのようにあの夜を思い出す。
あの夜、様子のおかしいシンが、見せつけるように股を開いてきて…
「エドガー先輩!おはようございます!」
そこで考えがふっと途切れる。私が経営する探偵事務所の助手のアランが現れたのだ。
「ああ、おはよう。今日も早いな」
「もちろんです。僕が来る前に、先輩に何かあったら大変ですから!」
「起きないよそんなこと…」
アランとは、大学時代にサークルで出会った。ある事件をきっかけに、先輩先輩と慕ってくるようになり、まともに就職しなかった私についてきて、事務所で働いてくれている。
あまり名が知れていないので、正直儲かっていない。それでもついてきてくれるのは、ありがたいと思うと同時に申し訳なさもある。
「でも先輩、この前出張してから、様子が変ですよ。何かあったんじゃ…?」
「何もないよ」
目に見えるほど、私は動揺しているんだろうか。
無理矢理挿入させられて…気持ちよかったことに。
かと言って、男に目覚めたわけではない。あれは衝撃的だったし、今でもふとした瞬間に思い出して体が熱くなるけど、もう一度やりたいかと言われると、絶対遠慮したい。
「何かあったなら相談してくださいね。僕がいつでも先輩を守りますよ!」
アランが胸を張って言う。
「はは。ありがとう…」
頼もしいけど言えるはずない。
こんなことになるとわかってたら、依頼は絶対受けなかった。高額の報酬につられて受けてしまったけど、顔も見せずに電話だけで、「あるバイトをしてほしい。金はたんまり出す」なんて、今考えるとあの村木とかいう男、明らかに怪しかった。
「今日の予定はなんだ?」
「はい!もうすぐ依頼人の方がいらっしゃいます。内容は聞いてないですが…浮気調査とかでしょうかね?同年代の男性です」
「名前は?」
「えーと名前は…」
その時、インターホンが鳴らされた。
「たぶん依頼人の方です。行ってきますね」
アパートの一室を借り、そこを自宅兼事務所として使っている。もっと儲かるようになったら立派な事務所にしたいが、まだ先の話だ。
「こちらです。足元お気をつけて」
アランの声が聞こえ、扉が開いた。依頼人の顔を見て、体が固まる。
「久しぶり、エドガーくん!覚えてる?」
「……お久しぶりです」
忘れられるはずもない。そこにいたのは、あのゲームを主催していた透だった。
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