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ワンナイト人狼編(5)
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2日目・昼
次の日、私たちは再び集合した。不安げな顔をしている人も多い。
「全員お集まりいただけましたね」
謎の幼児、鴨が声をかけた。
「経験者の皆さんはお分かりかと思いますが、これから話し合いをしていただき、その後ゲイと思われる人物に投票し、追放していただきます。今回は2票以上集めた人が追放されます。一回勝負ですので、お気をつけください」
鴨の両脇に透と村木が立っている。にやにやとしているだけで、何もする様子はない。
「それでは、始めてください」
<話し合いスタート>
残り人数5人
エドガー
コウタ
ユキナリ
ナオキ
ミズキ
×オカ
×コタロウ
ナオキ「それじゃあ、話し合いを始めよう!…俺は前回全く話し合いに参加していないんだけど、どうやってやるの?」
コウタ「俺もわからん!忘れた!」
ミズキ「ううう帰りたいよお。負けたらどんなことされるのか」
ユキナリ「うるさい黙れ。少しは落ち着け」
エドガー「ひとまず、占い師は名乗り出たらどうだ?何か情報が欲しい」
場がしんと静まる。
…占い師はいないのだろうか?
ミズキ「ぼ、僕、占い師…」
ようやくミズキが話し始めた。
ナオキ「そっか!占いの結果はどうだった?」
ミズキ「え、えっと、ナオキが、ゲイだった」
ナオキ「えー!それは厄介だな」
ナオキはわりと落ち着いているように見える。
ユキナリ「それで?お前はゲイなのか?」
ナオキ「うーん、カミングアウトしちゃおうかな」
コウタ「おおっ!衝撃の展開だ」
ナオキ「俺はバイだよ。男も好きだけど、女の子も大好き!」
エドガー「そ、そうか…」
普段めったに聞かないことを、こうもオープンに言われると戸惑ってしまう。
ナオキ「俺は前回ヤスに襲われて、おケツの良さを知った」
ユキナリ「おい、語らなくていいぞ」
ナオキ「しかし、女の子のふにふにおっぱいも相変わらず大好きだ」
ミズキ「う、嘘だ!ナオキはふにふにおっぱいの魅力を忘れたんだ!」
ナオキ「いや、ふにふにおっぱいは素晴らしい。この世の宝だ。あの感触はまるでこの世にある優しいものを全て包んだかのような」
ユキナリ「話をやめろ!そこまで聞いてない!」
ナオキ「…まあ、そういうわけだ。バイの俺にゲイと言ってくるってことは、ミズキは偽占い師のゲイなんだろうな」
ミズキ「ぼ、僕は巨乳のが好きだ!」
コウタ「俺もおっぱい大好きー!」
エドガー「…ちなみにナオキは誰と交換したんだ?」
ナオキ「交換?してないよ。俺はバイに誇りを持ってるんだ。地球上の全ての人類を性対象とすることができるこの能力に!ノンケやゲイになどなるもんか」
エドガー「そ、そうか。まあ、交換しなくてもよいからな」
…さて、どうしたものか。
普通に考えれば、話の食い違っているナオキとミズキのどちらかがゲイ、ということか。
ユキナリ「ここで俺もカミングアウトしたい」
コウタ「おおっ!ユキナリはどんなおっぱいが好きなんだ?!」
ユキナリ「俺は実は占い師だ」
コウタ「なんだそんなことかー…あれ?」
エドガー「どういうことだ?なぜさっき名乗り出なかったんだ」
ユキナリ「順を追って説明させてくれ。俺は昨日帰った2人を占った。すると、オカがノンケでコタロウがゲイという結果が出た。つまり、この場にゲイは1人しかいないということだ。1人しかいないと、ビビって何もしない可能性があるだろう?俺がすぐに名乗り出ないことで、ゲイに占い師を騙る隙を与えて、あぶりだしたってわけだ。残念だったな、ミズキ。お前はゲイだ」
ミズキ「そ、そんな、嘘だ!ユキナリとナオキが結託して、僕を追い詰めようとしているんだ!」
ユキナリ「もちろん、その可能性もあるな。ならば、ここで俺とミズキの両方を追放したらどうだ?」
ミズキ「両方…?」
エドガー「そうか。今回は投票で2票以上入った人が追放される。だから、ユキナリとミズキの両方に2票以上入るようにすればいいんだ。どちらかが必ずゲイだから、ゲイを確実に1人追放することができる。すると、ノンケは勝利するというわけだ」
コウタ「なるほど!よくわかんないけどわかったぞ!」
ナオキ「素晴らしい案だね。誰が誰に投票しよう?」
ユキナリ「俺はもちろんミズキに投票する。ミズキに疑われているナオキも、ミズキに入れてくれ。これで2票だ」
ナオキ「わかったよ」
ユキナリ「ミズキは、俺に入れてくれ」
コウタ「俺は俺はー?」
ユキナリ「お前も俺に入れろ。これで俺にも2票入る。どうだ?対立する人2人に2票ずつ入れば、確実にゲイを追放することができる。文句ないな、ミズキ」
ミズキ「だ、だめだ。陰謀だ…全てが陰謀なんだ…みんな騙されちゃダメだ」
エドガー「…ところで、私は誰に入れればいいんだ?」
ユキナリ「まあ、この中で一番嫌いな人にでも入れてくれ」
エドガー「禍根を残しそうだ」
ナオキ「それじゃあ、投票に移ろう!」
<結果>
ミズキ 3票(ユキナリ、ナオキ、エドガー)
ユキナリ 2票(ミズキ、コウタ)
「投票の結果、ミズキさんとユキナリさんが追放されることになりました。よって、ゲイ側の勝利が確定しました。お疲れさまでした」
鴨の言葉に耳を疑った。
「…今、何と言った?」
ユキナリが呆然とした様子でつぶやく。
どういうことだ?ゲイを1人追放できたはずじゃ…
「いやー、みんなお疲れさま!1人でよく頑張ったと思うよ、ナオキくん」
透の陽気な声が響く。はっとナオキを見ると、嬉しそうな顔で立っている。
「賞金、もらえますよね?もらったら帰っていいですか?」
「いいよいいよ。もう用はないし。ほら、これが賞金」
ナオキは賞金を受け取り、帰り支度を始めた。
「ま、待て。お前、ゲイなのか?じゃあ、ミズキはなんなんだ?」
ユキナリがミズキに詰め寄る。
「ぼ、僕はゲイだけど…」
「いや、ミズキはノンケだよ。俺が交換しちゃったから」
…つまり、バイのナオキがゲイのミズキと役職を交換したから、ナオキがゲイでミズキがノンケという状態になってたってことか?
ミズキは自分がノンケになっていることに気づかず、ゲイとして行動していた。ユキナリもそう思いこんで、確実にミズキを追放できる方法をとろうとしたけど、裏目に出てしまって…
「ナオキ、バイの誇りはどうしたんだ!!」
思わず憤りを感じた。あんなに熱く語っていたのに。
「エドガー、何言ってるの?これはただのゲームだよ?本当に性的指向が変わるわけでもあるまいし」
「そ、それはそうだが…」
「ほらほら。ナオキくんを責めるのはそこらへんにして。負けたのは自分のせいだよ。…まあ、今回の戦犯はユキナリくんかな」
透はそう言いながらナオキを出口まで連れて行った。
ユキナリは下を向いていて、どんな表情をしているのかわからない。
「さて、負けちゃった君たちには罰ゲームの時間です」
…そうだ。昨日、負けたらそのときのお楽しみとか言ってたっけ。
「じゃあひとまず、昨日泊まった部屋までこの手錠をつけてそれぞれ帰ってもらおうかな。罰ゲームはそこで行うから」
「…おい、何をする気なんだ?」
ユキナリが透を睨む。
「…さあ?なんだろうね」
透は相変わらずの笑みを浮かべている。どうやら話す気はないらしい。
私たちは自ら手錠をつけて、部屋まで歩いていった。
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