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人狼vs狩人編(22)
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数日後・昼
side:アラン
あれ以来、エドガー先輩には会えていない。今日はいるかもしれない、という気持ちを込めて毎日事務所には通っているけど、いつも空振りだ。
エドガー先輩に会いたい。もう一度一緒に仕事がしたい。そのためなら、なんでもするのに。
その日も僕は諦めムードで事務所へ向かっていた。しかし事務所に近づいたとき、驚くべきことに気づいた。
窓が明るい。
電気がついている。
エドガー先輩が帰ってきたのかもしれない!
僕は急いで事務所の扉を開けたのだが…。
「やあ!こんにちは、アランくん。エドガーくんだと思った?残念!透でした」
透がにこにこと手を振ってきて、思わず舌打ちしてしまう。
「…エドガー先輩は、どこにいるんですか?」
「おーこわい!僕が知ってるわけないじゃん。知ってたとしてもアランくんには言わないしー」
「用がないなら帰ってください」
「用があるから来たんだよ。エドガーくんなんかよりもっと大事な用事。君に賞品を届けに来たよ」
「賞品?何の?」
「あれ、忘れたの?この前のゲーム、君たちノンケチームが勝ったよね。その賞品である、『願いを一つ叶えてあげる』を実現するためにやってきたんだ!」
そうだ。そういえばあの後すぐ、「あなたは勝ちました」っていう手紙が来たっけ。
「じゃあ、どうする?アランくんは、何をお願いする?」
「願い…」
そんなの、一つしか思いつかない。
「エドガー先輩を、元に戻してください。全てが起きる前の状態に」
僕がそう言うと、透は楽しそうに笑みを浮かべた。
…少し嫌な予感がする。
「ふうん…そっか。叶えてあげるよ。その前に少し情報をあげようかな。エドガーくんにも聞いてることかもしれないけど」
「情報…?僕はただ、エドガー先輩が元に戻るだけでいいんですけど…」
「エドガーくんは、ヤスって人に襲われてから、男に目覚めちゃったんだよ。ヤスは非常に奔放な男で、心までチンコみたいなヤツだ。彼氏は何人もいる」
「ひ、ひどい…」
「逆に言うとそれはヤスの弱点だ。ヤスは、関係を持てるかもしれない、と思ったら大抵のことには無頓着になる。僕も何度約束を破られたことか!」
「…それで?どうしてそんなこと教えてくれるんですか?ヤスって人のことを詳しく聞いたところで、僕には関係ないと思うんですけど…」
「さあ、どうしてでしょう」
透はにやにやと笑うばかりだ。
「まあ、とにかく…早くエドガー先輩を元に戻してください」
「うん、いいよ。それじゃあ、レッツゴー!」
「ん…?んん?!」
急に周りが光に包まれ、激しい眠気に襲われた。立っていることもままならなくなり、僕は床に倒れた。
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