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3人人狼編(7)
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2日目・昼つづき
side:シン
全員がルールブックを読み終わり、ルールをきちんと把握したころ、透が声をかけた。
「さあ、これから何をやればいいか、わかったよね?」
「つまり、昨日ヨウがこの中の誰かに襲われた。今からその犯人を暴くための話し合いを始める…ってことだよね?」
白々しくもヤスが確認した。
「そう!そしてみんなを手助けするための役職を持った人もいるってこと。じゃあ、話し合い…」
「ま、待ってください!それはわたしの役目ですよ!」
洋子が口を挟んだ。
「あはは、ごめんね洋子ちゃん。じゃあ、どうぞ」
「はい!えへん。それでは、話し合い、スタートです!」
<話し合いスタート>
残り人数 13人
シン
ヤス
アラン
ショウヤ
ナツキ
ソウタ
ミコト
マサジ
アキラ
ハヤト
ナルミ
ゴロウ
カエデ
×ヨウ
ヤス「じゃあ、怪しい人物を探していこうか。…と言っても、手がかりはないんだけど」
ミコト「俺がゲイだ。追放しろ」
ヤス「…は?」
ミコト「聞こえなかったか?お・れ・が!ゲ・イ・だ!」
ヤス「い、いや、聞こえてるけど…」
初っ端から自白。それも虚偽の。ヤスが戸惑うのもわかる。
他のメンバーも、何も言えずに固まっている。
ミコト「異論はないな。投票に移るぞ」
シン「待った待った!それは明らかに嘘だろう!」
…思わず叫んでしまった。言った直後に後悔する。放っておけば敵が1人減ったかもしれないのに。
ミコト「どうしてだ?」
シン「本当にゲイだったら、ここで自白するわけないだろ。こんな大がかりな準備をしてるのに、意味がわからないぞ」
ミコト「だが、ゲイじゃないのにゲイだという理由もない」
ゴロウ「いやー、それはあるだろう」
ミコト「何?」
ゴロウ「あなた、1人だけさっさと帰ろうとしてるでしょ。ずるいよー、そんなの」
ナツキ「何だとー!それはずるいな!」
ミコト「…ちっ」
ミコトは腹立たしそうに舌打ちした。
カエデ「まあまあ。ミコトにも何か理由があるのかもしれないよ。ひとまず聞いてみよう。…ミコト?どうしてズルしてまで早く帰ろうとしたの?」
ミコト「こんなとこ、長くいたいヤツなんかいるわけないだろ。そのために努力して何が悪い。それに…」
カエデ「それに?」
ミコト「…今日は実家のリフォームの日なんだ。立合わねばならない」
カエデ「…続けよっか、話し合い」
ミコト「おい!」
カエデ「ミコトが言ったように、この場から帰りたいのはみんな同じだよ。だからって、ズルして抜けようとするのはやめにしよう?ちゃんとゲームをした上で、抜けていくことにしよう。そうしないと、残ってしまった人が不公平だ」
アキラ「うーん…」
アキラは不満そうな顔をしている。
アキラ「よくわかんない」
ナツキ「とにかく、ちゃんとやろうってことだろ?カンタンだ!」
アラン「とりあえず話を進めましょう!時間は無限にはありません」
ハヤト「じゃあ聞くけど、役職持ってる人がいるんだよな?それが誰なのかはっきりさせないか?」
ヤス「そうだね、じゃあ…心当たりのある人!」
ナツキ「はい!」
間髪入れずにナツキが手を挙げた。
ナツキ「俺、この中に知り合いいるんだー」
アラン「誰ですか?」
ナツキ「えーっとそれは…」
カエデ「ストップ!ストップ!」
ナツキ「ん?」
カエデ「今その相手を言わなくてもいいんじゃないかな?そうすれば、誰かは伏せたまま確実にゲイじゃない人を2人確保できる」
ナツキ「…んん?」
カエデ「えーっと…この中に知り合いがいるってことは、ナツキとその人は確実にノンケだよね」
ナツキ「おう!そうだ!」
カエデ「今ここでナツキがその相手を隠しておけば、いろいろとメリットが生まれると思うんだ」
ナツキ「ほほう…どんな?」
カエデ「例えば、ゲイの人が自分は占い師だって嘘をついたとするよね?それで、もしその時ナツキの知り合いの人をゲイだって言ったとしたら、ナツキはその人が嘘をついてることを見抜くことができるんだ」
ナツキ「な…なるほどお!」
わかってなさそうだ。
カエデ「僕たちがうっかりナツキの知り合いを追放しそうになっても、ナツキが止めてくれればいいしね。特に今明かす理由はないんじゃないかな?」
ナツキ「よくわかんないけど、とりあえず黙っとく!」
カエデ「うん。みんなもそれでいいよね?」
カエデ…このゲーム初参加なんだよな?やけに頭が働くな…。腐男子とか女子とか、そういう輩だろうか?
カエデ「じゃあ、次はついでに僕。僕は占い師だよ」
…お、怪しい。
カエデ「昨日はナツキを占って、ゲイじゃなかった」
ナツキ「うん!大正解だ!」
……怪しい。ナツキがノンケなのはさっき確定したからな。
ゴロウ「あー…それはおかしいな。占い師は、俺だ」
ソウタ「あ、あれ?占い師って2人いるんだっけ?」
ヤス「いや、1人のはずだよ。そして…本当の占い師は俺だ」
さ…3人も出た。
ヤス、大丈夫だろうか。
ゴロウ「やけにたくさんおるねえ。ちなみに俺が占った結果、ハヤトはゲイだった」
ハヤト「…え?俺?!」
ハヤトはゲイではない。
つまり…ゴロウは占い師ではない。
腐女子がこんなに派手なことをするとは思えないし、ノンケであれば嘘をつく必要はない。ゴロウは腐男子、ということだろうか。
なんだ。カエデは本物ってことか?
ヤス「俺が昨日占った結果は、ソウタがゲイじゃなかった。どうかな?ソウタ」
ソウタ「う、うん!俺、ノンケだ。と、というか、俺が好きなのは水草たんだけ…うふふ」
ソウタは水槽に向かって話しかけだした。
…草って、男なのか?女なのか?
アキラ「大量発生だなー!なんか面白い!」
ショウヤ「…めんどくせえ」
ショウヤが隣でぼそっとつぶやいた。俺にしか聞こえないくらいの音量で。
ハヤト「待ってくれ。ゴロウは嘘をついている。俺はスパイだ。ゲイじゃない」
カエデ「あれ?そうなんだ。…ゴロウ?」
ゴロウ「とっさについた嘘じゃないのか?口だけならなんとでも言える」
アラン「そうですね!ハヤトは嘘をついてます」
アランがすっと口を挟んだ。
アラン「だって、スパイは僕ですから」
ハヤト「はあ?!お前何言って…」
アラン「まだ黙っていようかと思ってたんですが、偽物に惑わされたら意味ないですからね。早々とカミングアウトです」
アキラ「あー…つまり結局…どうなってるんだ?」
シン「今の状況をまとめると、カエデとゴロウとヤスはそれぞれ自分が占い師だと主張していて、ハヤトとアランはスパイだと主張している。そして、ゴロウはハヤトがゲイだと指摘している、って感じかな」
アキラ「えーと…嘘つきが3人いるんだな!」
シン「そ。ちなみに、ゴロウとハヤトが両方本物ってことだけはありえないな。あとの組み合わせはもう全て考えられる」
ソウタ「じゃ、じゃあ…どうしようもないってことでふか!ですか!」
ナツキ「えー、そんなのカンタンだよ!」
シン「…え?」
ナツキ「3人嘘つきがいるんでしょ?で、ゲイも3人いる。じゃあ、もう今の人たち全員追放しちゃえば、勝ちで終わりだよ!」
シン「それは…斬新だね」
…ん?あれ?そうしたらたしかに…俺たち負けるのか?
5人全員追放して、俺が5回ノンケを襲えたとして、その時残っているのは、ゲイ1人、ノンケ1人、腐女子1人…負けだ。俺が4回しかノンケを襲えなかったとして、その時残っているのは、ゲイ1人、ノンケ2人、腐女子1人…その夜は腐女子を襲って失敗させ、次の日の昼はゲイ1人、ノンケ2人、腐女子1人。そこで腐女子を追放して、夜にノンケを襲えば…勝ちだ!
…いやいや、そんな心細い戦いしたくない。綱渡りすぎる。そんなに回数重ねたら、俺の正体もバレそうだし。
カエデ「嘘をついた3人が全員ゲイとは限らないよ。腐男子、腐女子、ゲイという組み合わせだった場合、全員潰したらノンケが負ける可能性もある」
ナツキ「ふーん…そうなのか」
アキラ「でも、いいかもね。そのローラー作戦」
ナツキ「ん?えへへ。そう?」
アキラ「力技って感じでかっこいい!」
ナツキ「えへへへへ」
アキラ「スパイ2人についてだけでも、試してみてもいいんじゃない?」
カエデ「ああ…そうかもね。スパイだったら占い師ほど重要でもないし」
ハヤト「お、おい!大事だぞ!」
シン「ゴロウからの疑いもあるハヤトからとりあえず追放してみたらどうだ?進展するかもしれない」
ハヤト「俺…嫌われてるの?」
ミコト「くそっ。いいじゃねえか、早く帰れて」
ハヤト「ん…?それもそうか…?」
シン「追放されたとしても、チームが勝てば賞品はもらえるし」
ハヤト「お、おお…なんか追い出された方が勝ちって気がしてきた」
洋子「じゃあ、投票に移りましょうかねー?」
<結果>
ハヤト(全員)
満場一致でハヤトが追放された。
アランもヤスも追放されなかったから、とりあえずオッケーか。
…そういえば、アランはずいぶん機転が利くんだな。ずっと市民として活動するって話だったのに、あそこでスパイを名乗るとは。
なんとなくあいつも手馴れてる気がするのは…気のせいなんだろうか?
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