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アンタ。
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「き、君、どうしたんだいいきなり、」
寝起きプラスいきなりの電話でかなり戸惑い、言葉が詰まってしまった。
「いきなりすみません、あの、先生にどうしても渡したい物があって。」
昨日の、美味しいご飯のお礼なんですが、と申し訳なさそうに呟く。
勿論、受け取らない訳がない。むしろぶっちゃけこっちも会いたい。
「ほんとかい!?ありがとう!どこに行けばいいかな。」
じゃあ、駅の近くのデパートの前で、と待ち合わせを聞き、電話を切る。
また彼に会える。昨日会ったのにも関わらず、嬉しさで飛び上がってしまいそうだ。
すぐさま頑固な寝癖を引っ張るようにして抑え、支度を整える。そのまま扉を蹴破る勢いで家を出て、彼の待つ元へと急いだ。
_____________…
待ち合わせの場所へと着く。彼はどこだろう?
行きゆく人々とすれ違いながら、彼を探す。
しばらくすると彼の後姿が見えたので、自然と笑顔を綻ばせながら近寄った。
「君………、」
タイミングが悪かった。
彼は、彼と同じような格好のアッチのタイプの人とつるんでいた。
煙草を吹かし、耳に金属のカタマリを幾つも付け、髪はアメリカの体に悪そうな色のお菓子かと言いたくなるほどカラフルで。
「あ?なンだよ。お前の知り合い?」
真っ黒なグラデーションの眼鏡を身に着けた青年が眼鏡をずらしジロリと僕を睨む。
なんて目つきだ。まるでハシビロコウではないか。
「………誰だアンタ、」
「!?」
思わず目を見開いてしまった。
「何?知り合いじゃねーの?」
「知らねぇよおっさんの知り合いなんて。話しかけてくんなら女がいいわ。」
けらけらと笑う彼は、昨日見た彼ではない。
人は一日でここまで性格を変えることが出来るのだろうか。
「おら、間違いならどっか行けよおっさん。」
そう言われながら肩を押され、僕は来た道をただ帰ることしか出来なかった。
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