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やらかした。
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その瞬間僕の思考は止まった。
やはり、彼女は、
彼の、
心臓が、生身のまま掴まれたような気がした。
そうだ、僕がおかしいんだ。
年下の、しかも同性が好きだなんて。
短期間で、色々と沢山刺激を受けすぎたせいだ。
一時の気の迷いだったのだ。きっと。
あぁ、でも呆気無かったな。
何だか、泣きそうだ。
「……え?」
っ、しまった。
「何で、アンタここに居んの?」
最悪だ。
彼に見つかってしまった。
僕が落ち込んでいる間に此方側へと移動していたらしい。本当に最悪だ。
「…、見てた、の?」
「い、いや、僕は、」
「……、最っ、悪。」
目の前が真っ暗になった。
そりゃあそうだ。赤の他人に自分の恋愛関係を勝手に覗かれたのだから。
しかも、年上の男に。
今頃、腸が煮えくり返りそうな気分だろう。
それか、気持ちが悪いと心底軽蔑しているだろうか。
そう思われても仕方がない。
僕は、”ストーカー行為”を働いたのだから。
僕の口から、それが零れたのは自然なことだったかもしれない。
「連絡を取り合うの、やめようか。」
「……は?」
「料理、やはり君に迷惑が掛かりそうだから、止めておくよ。今まで感謝する。彼女さんと、仲良くするんだよ。」
後ろで彼が何か言っていたような気がしたが、罪悪感と悲しみで振り向くことが出来なかった。
__________…
はは、何をやっているんだろう僕。
好きになった人を困らせ、怒らせ、挙句の果てに軽蔑されるとは。
意気消沈、とはまさにこのことか。
暫く、立ち直ることは難しそうだ。
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