アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
抱擁。
-
「ちょ、何で来て、」
「アンタが昨日からおかしいからだよ!!」
何で、何でだ。
僕が、下らないことをしたばかりに君を怒らせてしまったのではなかったのか。
「勝手に連絡取るのやめるとか言いやがって、ムカツく。どんだけ昨日焦ったと思ってんだよ、せんせーのアホ。」
「だ、だってそれは昨日君が、」
最悪、だって。言ったじゃないか、
声が掠れて、上手く言葉が出なかった。あぁ、なんて情けない。
こんなの言い訳じゃないか。
すると、いきなり身体に暖かい温もりが回された。
え、?
え?ちょ、え?
何で僕は抱きしめられているんだ?
ぎゅう、と2,3㎝高い所から抱きしめられる僕。
彼は、顔を赤くしながら困ったような表情をしている。
「…あー、…あの、昨日のは、アンタに見られたから最悪って思った訳で…、」
「っ、やっぱり最悪だったんじゃないかぁ、」
「あ”ーもう、泣くな!!!違う!!!!!」
くそぅ、と彼は舌打ちした後、絞り出すようにして言った。
「好きなヤツに他人とちゅーしてるとことか、見られたくねぇだろーがっ!!」
……………
…………………………
!?
「ん、?え?君が、僕を?」
「……分かってるよ、ホモとかキモいって、でも、アンタが好きって、気づいちゃったらもう、」
止められる訳ねえじゃん。と顔を沸騰させたかのように赤くしながら呟く君。
君は、いつも僕を混乱させる。こうして既に色々な感情で涙腺やら脳内の容量やらをぶち壊されてしまった。
取り敢えず僕が今言うべきことは、
接吻のことをちゅーって言うの可愛いね、とか、じゃあ昨日の痴女は誰なんだ、とかじゃなくて、
「僕も、君が、好きだ。」
見た目は凶悪な癖して読書好きで、家事とかも完璧で、あんな美味しいご飯で僕の胃袋を掴み取って。
口下手で、照れ屋で、可愛くて。
好きや、愛なんかじゃ足りない位、君が好きだ。
僕から言う筈だったのに君に全てかっ去られてしまった。
ムードなんてこれっぽっちもなくて、真夏の夜にでかい男が抱き締め合って、
汗が滝のように流れ落ちるくらい暑くて、でもそれ以上に、
君との抱擁や胸の高鳴りが燃えるように、あつい。
あぁ、
溶けてしまいそう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 27