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玲サイド 一部訂正
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「どうした?急に呼んでさ」
「悪いな」
あるカフェで窓側に座り、互いにコーヒーを頼んだ。
ストローでカラカラと氷を混ぜる。
「悪いじゃなくてさ、どうした?」
こいつが、そう。
定期的に会う相手。
鈴木正則。190cmある怪物。
「なんとなく」
「お前がそんな用で呼ぶわけがない」
「なんとなく」
「振られたか」
「ああ」
言葉の少ない会話。
「で、すがってきたわけな」
「そうなるな」
「なんで?」
「お前のことばれた」
「あほだな」
「ああ」
冷たいコーヒーをすする。
「で?」
「他のやつのとこにいる」
「へえ」
「誰か知らないやつ」
「ふうん」
コーヒーをまたすする。
もう半分しかない。
窓から見える駅前の賑わい。
人通りが多い。
「これからは?」
「わからない」
「俺と本格的に付き合う?」
「…それでも、いい」
「まあ、うん。前の、その祐樹さんとは、縁をうまく切っとけ。電話しろ」
「した」
「で?」
「怒ってて、きれた」
「うん、ならもう一回ここで電話してみろ」
がさがさとかばんを漁る。
見つけて、さっきみたいに通話を始める。
「つながらない」
「無視か?」
「使われてない」
「あーあ」
そんな、あっさりした、2人の空気に、誰も入れないのだ。
それが、数日続くのだ。
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