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高校
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「祐樹くん!」
はあはあ、と息が荒い人が走ってきて、立ち止まった。
「田辺先輩?どうしました?」
近寄って持っているタオルを渡す。
「ありがと」
「あ、もしかして、部活ありましたか?」
今日は休みの予定だった気がする。
「いや、ちがって、俺が、祐樹くん、に、言いたい、こと、あって、さ」
言葉が途切れ途切れである。
どこからはしってきたんだろ?
「なんですか?」
「…ちょいまち」
「はい」
息を整え、深呼吸。
服装確認。
そしたら目を合わせてきた。
顔を真っ赤にして。
どうしたのだろうと、首を傾げる。
すぅ、と先輩が大きく息を吸った。
「す、好きです!」
校内全員に聞こえるんじゃないかと思う声。
まあ、この男子校だからホモが多いのはわかるけどさ。
「えっと…先輩?」
「はっ、はい!」
ピーン、と背を伸ばし、顔が強張る。
その姿が、普段のかっこよさとはかけ離れてて吹き出した。
「ふっ……はははは!」
「ななな、なんだよ!」
「いやぁ…なんか、先輩にもそんなところがあるんだなぁって」
「そうか?」
この人は完璧だと思っていた。
家柄良し。運動良し。勉強も平均以上。
しかも、何しててもかっこいい。
そんな人が、こんなことで緊張するのだと思うと可笑しくなった。
「おい!笑ってないで、返事!」
「すいませっ…ふふっ。あの、良いですよ」
「へ…?」
「だから、良いですよ」
先輩が固まる。
なんかいろんな先輩を見れて面白い。
「ほんとか!」
ワンテンポ遅れて腕を掴まれる。
「はい、好きとかまだわかんないですけど…これから、知っていきたいです」
付き合っている相手がいるわけでもない。
先輩が嫌いじゃない。
「やった!ね、メアド交換しよ!んで、一緒に帰ろ!」
「ええ、もちろん」
「ほんと。だから、お願い。俺と、俺だけの恋人になってください」
前みたいにキラキラしたはるを見て、何だか嬉しくなったんだ。
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