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手、
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駅に着いて改札を出る。
相変わらず、ここは人が多い。
カップルを見つけたりして。
早足で家路についた。
「ただいま」
流石にまだ、はるは帰ってきてないだろう。
「おーかえりぃ」
リビングから声がした。え、仕事は…
「仕事は?」
「書類の提出だけだから」
リビングから出てくる気配がしない。
この顔を見られる前に、シャワー浴びよ。
そう思い、風呂へ向かおうとしたら、リビングからはるが出てきて、抱きつかれた。
「っわ!」
「ねえ?おかえりのキスとかはぁ?」
驚いてこけそうになった。
この馬鹿さに少し落ち着く。
そのまま、顔をあげてしまいそうになり、唇を噛みしめる。
やばい。顔見られちゃう。
「んー?どうした?なんかあった?」
顔を俯き続ける。そうしたら、はるの手が伸びてきた。
こんな顔見られたら、心配される。
びくびく待っていると、額に手が添えられた。
「ん、熱はないね…どしたの?」
頬に手が動いてくる。
ズボンをぎゅ、と握りしめて、手が離れるのを待つ。
「ゆーちゃん?」
顔をあげさせようと、顎に手がかかる。
「やっ!」
「っ…!」
気がつけば、僕が、はるの手を払っていた。
「ぁ……」
優しい手を払ってしまった。好きな手を。
「…………」
「ご、ごめ、なさ」
暫くして、はるが僕の顎を手で抑えた。
「は、はる…」
声が震える。やだよ。今の顔は見ないで。
でも、その黙ってるはるが怖くて、優しい手が乱暴で怖くて、動けなかった。
ぐい、と顔をあげさせられる。
「ぁ、や…」
顔をあげれば、優しく心配そうに微笑んだはるの顔があった。そして、その手も優しくなって、頬に添えられた。
でも。
こんな顔を見て、心配させてしまった。
こんな顔を見て、嫌われたかもしれない。
「ゆーちゃん」
腕をひかれて、はるの中にぎゅ、と包まれる。
「リビングでココア飲も?今、ちょうど飲んでたの。一緒に飲もう」
「うん」
その優しさに泣きそうになれば、額にキスをしてくれた。
ありがとう、はる。僕、やっぱりはるが好きだよ。
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