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玲サイド
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これが最後だ。
そう思ったら、眠れなくて朝までずっとリビングにいた。
“祐樹”
手のひらに書く。
この名前を何度呼んだだろう。いや、何度呼べただろう。長かった。一緒にいた時間はすごく長い。でも、俺が名前を呼んだのは少ない気がした。
皮かぶって演技して、本当は酷くするつもりだった。それで、俺のこと嫌いになって、田辺ってやつに幸せにしてもらって…。祐樹を幸せにするなんて俺には出来ない。田辺に任せるしかない。
どう、切り出そうか。
別れよう、別れて、別れろ…違う。こんなの言いたくない。
「中途半端…」
もしかしたら、友達関係もなくなるかもしれない。下手したら、すれ違うこともなくなる。
外の日が上り始める。
「今日も、綺麗だな」
別れの前の、最後の日の出。
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