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優しさ
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それにしても…お腹すいた。昨日夜食べないでヤってたからかなぁ。
「服、ここあるから」
指を指した方向を見ると、綺麗に畳んである知らない服がある。
「僕の服は?」
「あー、あと30分くらい。それ、祐樹に合わせて買ったから持って帰って」
「ご、ごめん、ありがと」
「ん」
着てみれば、サイズぴったりだし、僕の好きなタイプのラフな服だ。
「…よく、わかってるな」
それだけ、長く共にしていたんだろう。
少し玲のにおいがした。嫌だな。ひきずってる。
「そうだよ。僕は、はるが好きなんだよ」
玲じゃない。
無言でリビングに入り、椅子に座る。
「わぁ…」
僕の好きなフレンチトーストがある。蜂蜜を少しかけるのがうまいのだ。
「食べて良いよ。俺はもう食べたから」
「…うん、いただきます」
一緒には、食べないんだ。まあ、もう9時だから食べたよな。フォークを6つに分けられたフレンチトーストに刺す。
「んま」
美味しい。玲の作るやつは、お母さんのに似てて、いわゆる家庭の味だ。安心。
「食って帰れ」
そう言って、リビングを出て行く。
背中に寂しさを感じる。
「なんで」
さっきから絶対に目を合わさない。
「…おいしく、ないよ」
1人で食べても、おいしくない。
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