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水を
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「ただいまー」
8時になった頃にはるが帰ってきた。
「おかえりー、平気だった?」
「んぁ」
「…?」
曖昧な返事が心配になり、玄関へ行く。
「はる?」
「んー…ゆーちゃ、ん」
「あ…んぅ」
急なキス。
それで気づいた。はる、酒くさい。
「…ふ、んっぁ」
その後、ぎゅーっ、と抱きしめられる。
「はるっ??酔ってるでしょ?」
「飲まされた…メール、見たでしょ。今日飲み会ってえ」
「早いね」
「ゆーちゃんといたいからあ」
「うん」
嬉しいのかなんだか抱きしめ返す。
「斎藤にはとらせない…」
「え?」
「ゆーちゃん…っ」
肩にかつがれ、どこに行くのかと思ったら、寝室へ。ベッドに押し倒されて、またキスされる。奪うような、ついばむような。
自分の頭の中でわかった。
やばい。
勢いに任せたはるなんかは、僕を明日立てなくする。
どうしよう、と周りを見る。
あ、水。
はるが情事前に準備する水。今日はペットボトルの水だ。
「はる…」
「何?」
言葉がぶっきらぼうになってる。
「ちょっと喉乾いたから、あれ飲んでいい?」
頭を動かして、ペットボトルを見る。はるもそちらへ首を動かして見る。
「ああ…それなら俺が飲ませてやるよ。それとも、せーえきとか飲んじゃう?」
酒癖悪いなはる。
ごめんね。流石に嫌だ。酔ってるから終われば忘れちゃうし。
ばっ、と腕を伸ばしてペットボトルをとる。
キャップが開いていたのでベッドに多少こぼれた。が、そのままはるに水をかける。
「……」
「酔いから覚めてからにして」
過去に忘れられてショックだったこともあったんだ。
はるは頭から水をかぶり、驚いたように目をぱちぱちさせる。
「あ……ごめっ!ごめん!」
正気に戻りはじめたらしく、慌ててベッドから下りた。
前に酔ってヤった後、忘れたと聞いて号泣したのを思い出したのだろう。
「今日はだめ。明日酔ってなかったら、ね?」
「うん、ごめん」
もう二度とブラックはるに会いたくないな。
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