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また
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「ゆーちゃん、落ち着いて」
ぐい、と肩を掴まれ、真剣な目が僕の目を捉える。
「あ、はる」
「今の彼氏は俺だよ」
「ふっ、んぅ」
口をふさがれ、元々浅かった呼吸が乱れる。すぐに口を離してくれて、抱き寄せられた。
「はる、2人、いるから」
「わかってる」
慌てる。肩越しに、2人が目を見開いているんだ。…当たり前か。玲だけだと思うもんね。
「大丈夫。落ち着いた、から」
「ほんと?」
「うん」
頷けば、はるが離れていき、2人に会釈してから座り直した。
「で、言って良い?」
「うん」
ほんとは怖い。なんでだろう。親友だからかな。
「一言で言えばセフレのとこだよ」
ぴき、とまた何かが崩れる気がした。なのに、頭ははっきりしてて、あ、そっかって思えた。動揺はあまりしなかった。…次の一言が出るまでは。
「最近、ずっとだよ。家に来たと思ったら外泊して。どこか聞けば、セフレのところ。それ以外最近ないしね。それ、祐樹くんと最後に会った時からかな」
ずっと…?
しかも、僕に会ってから?
僕が…僕が壊した?
玲がそうなったのは、僕のせい?
遠くから、みんなが話す声がする。よく聞こえない。
僕が、僕が、僕がまた、人を変えちゃう。おかしくさせちゃう。やだ。やだよ。
“アイツノセイダ、アイツノセイダ”
刑務所で会った父に言われた最後の言葉。
僕がいたからおかしくなったんだっけな。
また、かな。
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